売は2017年8月、図書館サイトの「お気に入り」には2017年11月に登録していたのに、やっと借りることができました。
5年以上も空いたのは予約がいっぱいだったからじゃなく、わたしが「真実を見たくない」がためです。
のんびりしている間に続刊のグループホーム編がでていて、図書館の書架でびっくりした。
2冊まとめて読んだので感想が混じっています。
今すぐ読まなくても「こんな本がある」と知ってもらえるだけで構いません。

●「怖い」のは「知らないから」

書籍化のもとになった連載がまだ読めました。

介護生活敗戦記:日経ビジネス電子版 

元はこんなタイトルだったのか!!
さすが科学系ライター、とても冷静な文章で読みやすいです。
あと、女性ではなく独身男性の介護記録というのは非常に珍しいです。
著者には弟もいますが、同じく独身なんです。なぜ独身なのかも読んでいくとわかります。

わたしは以前、ご両親が健在なうちに地域包括支援センターに足を運んで、今後両親がどんなふうに変化するのか、行政サービスはどんなものなのか説明してもらった方のブログを読んでいます。
非常に良い内容でした。
だから知り合いから「帰省してみたら親の様子がおかしい」と一報が入った時、「市町村+地域包括支援センター」で検索して連絡先を送り、すぐにケアマネと繋がるように強く押したんです。

たとえ夫婦であってもどちらかが認知症になれば、ひとりで入院もできない、その時どこにつながればいいのかといった書籍を手にとるようになりました。
その一環が、「母さん、ごめん。50代独身男の介護奮闘記」シリーズです。

・地域包括支援センター
・家電は買い替えない
・「できるだけ自分でさせる」はない

ほんのさわりの要約ですが、娘息子世代にとって「えっ」ということをあげました。
わたしも母の膝が悪くなり食器棚の断捨離に取り掛かりましたが、「自分でやる」はなし、させてはいけないと痛感しています。

「死んで欲しい」という著者の真意は死ではなくて、「介護から開放されたい」というのが本当の願いなんです。
ホームに入れても開放されません。
次々と連鎖的に病が繋がる様子にはゾッとしました。これが本当の「老い」なんだと。

人は死ぬ時、息をすうっと吸ってなくなります。
吐くのではなく、文字通り「引き取る」んです。
その時が近くなると脈拍や体重の変化でわかるという、ホーム長の経験則による基準は開放に向かう基準でもあるなと思いました。

●夫婦でも最後はひとり

親の介護だけでなく自分の最期も考えないとだめな時代なのよ!!
P42の銀行口座の考え方、認証不要なカードに変更、複数口座を持つ、代理人カードを作るなんて考えたことなかったです。
こちらはいまいちだった。筆者の独身者を見る目線が独特すぎ。
個人的感情を持ち込みすぎてて「は?」ってなることが多く、著者の目的とずれてしまうのがもったいないですが、こういうことをしておかないとこうなる、こうなったという事例が色々のっているのが良いです。
ただし、じゃあそれを回避するには、という手段が結局「身内以外の他人の手を借りる」、具体的手段までのラストワンマイルが足りない印象。

読んでいて、「よしこれやってみよう」と思えた「子どもがいない人の~」の方が良かったです。

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