半年の間に起きたことです。
●一人目 おばあちゃん バス車内
バスの車内では、停留所で「バスが完全に停まるまで席から立たない」よう、案内もアナウンスもされています。
ある停留所で停止した時、隣のおばあちゃんがシートから立ち上がろうとしてうんともすんとも動かなくなっているのに遭遇しました。
ちょっと勾配がついて後傾になっていたのもあかんかったと思います。
運転手はもちろん介助できないし、隣のわたしが慌てて引っ張り上げたんですが、動かない!
岩のような重量感にびっくりして、どうしたらいいのかとわたし自身も動けなかったです。
腕ではなく上半身から引き上げてみてやっと立ち上がることができ、そこからはバス停まで降ろしたら歩かれていました。
●二人目 おばあちゃん 地下道
地下道の自転車と歩行者用の浅めの階段に座り、壁に凭れているおばあちゃん。具合が悪いのか休憩しているのかわからず、「どうされました?」と声をかけると、「ここはどこ?」
えー!?
よくよく聞いてみると病院の帰りで、自宅は地下道の反対側。
おばあちゃん、タクシーに乗って帰られたほうがいいですよ、住所記載のある保険証などお持ちでしたら、タクシー乗り場まで行きましょう。
「タクシー……そうね、そうしようかな……」
一人目のおばあちゃんより大柄かつ全体重がかかり、引きずるように汗だくで運んだこの夜からわたしは筋肉痛。
●3人目 おじいちゃん 地下鉄車内
地下鉄では「完全に停まるまで席から立たない」というアナウンスはありません。多分乗り慣れていないおじいちゃん、座ったシートの反対側のドアが開くとわかり、駅に入線して早めにドアに向かったんですが停車時の反動でバタンと横転。
えっと思っている間にドアが開いた。
おじいちゃん、立ち上がれない!!
停車駅から乗り込んできた小柄な女性が「大丈夫ですか!?」って介助したけれど、おじいちゃんより小柄だし当然支えきれなくて、わたしと二人がかりで駅のホームに引きずっていきました。
その後は駅員さんが介助してくれた。
●耳からうどんでも目は見えてるやろ
特に記憶に残っているのが、一人目のおばあちゃんでした。自立できないだけで歩行はできていました。
なんとなく高齢者であっても歩けるのなら大丈夫という認識でしたが、そんなことはない。
座位からの立位のほうが相当筋肉がいるし、足が弱るってこういうことなんだと体の重みをもって実感しました。
筋肉で支えていない体の重さってこんなにキツイのかと。介護士の方は自分の筋肉を使うのではなく、支える方法を知っていると思います。
二人目のおばあちゃんの介助は距離が長かったのもあり、腕全体が筋肉痛になって堪えました。
頭を前に! なるほど。
わたしは上に引き上げようとしたからしんどかったのか。
こんな風にいかんぞい
あとこれは常々感じますが、今の若い子は本当に優しいです。
地下道で座り込んでいたおばあちゃんを見て、自転車のキッズが「大丈夫ですか!?」って足を止めてくれたんです。
ありがとう! 優しい! キッズ制服だったから、おばちゃんががんばるわ!
それに対しておじいちゃんの介助時、車内にいた/停車駅から乗車した成人男性みんな知らん顔。
お前ら……女性二人がひーこらしてんのに、イヤフォンやってたら免罪符になると思うな……
男性はおばあちゃんは無理でも、せめて、おじいちゃんの介助をしてほしいです。
女だから介助できるんじゃないんですよ。
こちとら無知で筋肉痛になりながらやっとるんやで。
この介助事件の後、母が「左膝がガクガクする」と言い出し現在整形外科でヒアルロン酸の注射とパルス治療を受けています。
布団生活は膝の負担も大きく、ベッドにしようと言っても聞き入れません。
膝関節は消耗品、耐久年は50歳です。
内臓疾患のように薬を服用して改善するでもないから、痛みや動きにくいのを辛抱するよりさっさと人工関節にしたほうがあとが楽だよ! と、両膝とも人工関節の知り合いに言われています。
わたしもそう思う……
次のリフォームは、高齢者仕様にしないと。
猛暑の中、ひとりで歩いている高齢者にどうしても目が行く夏です。