吉川弘文館はハズレがないなあ。
「7歳までは神様の子だから」
育児において、これを耳にされたこと一度はあるかと思います。
今年の朝ドラ「らんまん」でも出てきました。
わたしは母から聞いて知った言葉で、「7歳までは病気などで亡くなりやすい、神様の子だから(しょうがない)」的に解釈していました。
なんとなく江戸時代から言われてきたんだろうなと思っていたのに、この書籍で判明するのは、「昭和の一部地域での俗説」であることなんです。
ちょっと柳田国男……どういうことさ……
過去の文献において、7歳までの子供は亡くなっても「喪に服す必要なし」とされています。喪に服す“対象”ですらない。
それどころか「圧倒的無責任者/無能者」であるという扱いで、いわゆる「子供の人権」的なものはまったくないんですよ。
大人でも生きるか死ぬか不安定な時代は、子供は手に負えなければ産んでもすぐ捨てられていました。
中世までとことんぞんざいに扱われていて、江戸時代半ばからだんだん大事に育てられるよう変化しています。
まるで伝統的だと思われていた子ども観がそうではなかったことを立証したのは、すごい。
そして60代の方でも、
「華道の◯◯なんて、自分が手順を忘れたことを“これが作法です”と言い切ってその後定着させた、ええかげんなもんやねんで」
と言わしめるので、存外今信じられていることの大半は底が浅いものなんでしょう。
それぐらいの気持ちでいいんじゃないと思います。
マナー講師とか見ていると、“浅さ”がわかるでしょう。
この書籍、Twitterで知りました。
別にバズっていたわけではなく、ブックマークしてちょくちょく見に行っているアカウントで紹介されていたんです。
こういう事があるのでTwitterがどんどん死んでいくの、辛い。
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朝ドラ「らんまん」好きでした。
実家が太いからできたのよねとは思いますが。