「あなたのことは大好きだけれど、わたしは“母親”に向いてなかったの」
実の母に言われたらどう感じますか。

母親になることと母性本能神話に対する赤裸々な告白の2冊です。

●一冊目「母親になって後悔してる」


多分よく知られていると思います。
「過去に戻れるとしたら、再び母になりますか?」という質問に、「いいえ」など回答した女性へのインタビュー集。
イスラエルという国の特殊性もありますが、わたしは二冊目の「ママにはならないことにしました」よりも読みやすかったです。

NHKクローズアップ現代にて、2022年12月に取り上げられています。

見ていて、真面目すぎると思いました。
真面目に母親をしないといけないという圧力も相当強い。
周囲が力を抜かせてくれないんだよね…… 。
湊さんの「時代が進化しているのだからリニューアルしていけばいいのに、昔から母親像が変わっていない」というのが真理だと思います。

アンケート結果もサイトには詳細にUPされています。

何を変える必要があるか? 「自分自身」が6割。
⇒この中に「親戚」があるしんどさよ……
父親/パートナーもそうだし、身内に味方がいない。

あとサイトにはでてきてないけれど番組内で視聴者からの意見として、
「こんなことが公になると、ますます少子化に拍車が掛かるのでは」
とあり、◯ねば? と思いました。

少子化は、女性のせいじゃないです。
あんたみたいな人が母親の加害者になってんだよと言いたかったです。
言ってみればこれは、「ケアする存在」として踏みにじられてきた「女性」の反乱です。認めたくないんですよね、だって自分も無償でケアされたいから。

湊さんとナオコーラさんはさすが作家だけあってすごくわかりやすくて、言い換えも上手く、すんなり入ってきました。
書籍が読みにくかった人には番組の配信視聴がおすすめです。

書籍には、こどもにこの負の連鎖をつなげたくないけれど、こどものせいではないことを伝える難しさについて悩まれている母親の声が載っていました。

あなたのことは愛している、ただ、もう一度母になりたいかというとそうではない。わたしは子育てに、母に向いてないので、あなたも無理にしなくていいのよ。

こんなこと母に言われたら、『ああ、わたしの育児が楽しくなかったからなのね』ってまっさきに思うでしょう。
母は言葉少なで何考えているのかさっぱりわからない頑固で意固地な真面目一辺倒の人ですが、それでもこんな事言われたら50前のわたしでもガーンとなるわ。

たとえ母が、負の連鎖を止めたいと願っているだけで、わたしのことが嫌いなのではないと口にしてくれても、やはり「育児をやってみてしんどかったからだな」という考えに囚われます。
ま、実際には弟がいますので、「ふたり育児してみて、やっぱり無理と思ったんやな」という解釈もできますが。

どうしたら「母親以外の選択肢もある」と伝えられるんでしょうね……

●「ママにはならないことにしました」

韓国だけあって、日本とよく似た事例がどんどん出てきます。
こっちのほうが読むのがしんどくて、延長しても完読できず最後はパラ見になりました。

出産、育児をしないと成熟した大人とみなされない風潮に対し、いまのこの社会の仕組みって「親」である人達が作ってますよね、ではこの社会が「いいもの」ですか?

たとえ家庭を築こうと、こどもを授かろうと、育児に参加しない男はこんな社会しか作れなかったんです。
こどもの有無と人としての成熟度は全く別です。
犯罪を犯す「親」がどれほどいるでしょうね。
親になることでむしろ視野が狭く幼稚化するケースもあります。

「長期間のケアを必要とするミッションを人生に持ち込みたくない」という著者の非出産の理由は、堂々としていていいと思います。
こんな事も言えない社会ですから。

出産って女性の体大改造、大工事させます。
そして育児は女性の生活すべてをぐちゃぐちゃに変えてしまうでしょう。
全くコントロールできなくなります。

わたしは既製サイズが合わないから自分で探しに、選びに行く機会が多かったので、自分の体のことは自分で決めたい意識が強いほうだと思います。

さて女性の声はだんだん形になってきたのですが、逆に「父になって後悔してる」という本は、見当たりません。
「結婚」に後悔して離婚する事例集はあれど、「父」にフォーカスしたものが見つけられないです。
ネットの記事ではなく書籍で探しているので、あれば教えて下さい。

うさももさんに寄せられる相談を読むと、あまりにもアホな男が多すぎてこの世の終わりなので体調がいいときにどうぞ。
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