本のネタが続きますが、わたしの中で靴、そして体と全部つながっている大事なことなのです。
前回入れた、

イトスクープの感想です。

生後2歳までの間に、小児がんで全盲になったマキちゃん。
依頼者はマキちゃんとアマチュア無線でつながったご夫婦で、車が好きなマキちゃんに買い替えの相談もするほど、マキちゃんは車に詳しいんです。
運転をしたいという夢を叶えてあげたいという依頼内容でした。

とても素敵なタイトル画面

同行した探偵は「すっごい怖かった」とVTR終わりに言ってましたが、「目の見えない人は世界をどう見ているのか」を読んでいたので、全然怖くなかったです。
全盲の方は晴眼者が「目隠し」した状態ではないからです。
本を読んでから思ったのは、彼らは「街歩きのアスリート」であり、街を歩くための能力/筋力が晴眼者と違うということ。
柔道で考えるとわかります、部活でやっている人と、メダリストとでは違うでしょう。

晴眼者はある意味、目も見えていないしからだも使っていないし、何も考えていない、「傲岸」に街を歩けてしまっているだけ。
それを知っていたら、マキちゃんの運転する車って晴眼者よりも乗り心地がいいだろうなと思いました。

マキちゃんも最初は「怖い」と言っていましたが、それは「初めて」の怖さの方が大きかったんじゃないかと思います。
車体の後ろ触るだけで車種がわかるくらい、車好き。きっと、はたから見るよりも構造まで詳しいんでしょう、ハンドルを握りだしたら、高揚しているのが伝わってきました。

場所は舞洲の教習所、となりに副校長が着いて声でサポートします。
最初は時速20km、55kmまで上がり、直線からコーナーも走るようになります。頭の中で正確な地図を描き、水たまりがある場所も把握して運転されます。
 
最後はもっとかっこいい車、乗りたくないですか? と、オープンカー!!(BMW)
200m一周のコースに、助手席は探偵、後部シートには依頼者夫婦が乗って涙するほど、見事なドライブ体験でした。
わたしも一緒に泣いた……
自動運転技術って、視覚障害者のための技術ではないんだなあと思いましたね。

●目的と試行の繰り返し


思い出したのは、ウサイン・ボルトです。
側弯症がありながらも、世界最速。

NHKスペシャル タモリ×山中伸弥「超人たちの人体~アスリート 限界への挑戦」で、MRIで全身を1.5ミリ刻み、2万5000枚以上の画像を撮影。膨大なデータをもとに、五輪選手の「3DBODY」を構築するという企画があったんです。

ボルトの足裏、一見扁平足ですが骨はしっかりアーチ状で、地面に対して骨から下はみっしり筋肉でした。
そして太ももに残る大きな肉離れのあと。

「ノートルダムの傴僂男」-側彎症 | 熊本大学病院 脳神経内科
http://kumadai-neurology.com/archives/460

陸上をやるには不向きな体でも、手持ちのカードで克服する。
見える人は「正しい」位置に持っていきたがるけれど、これまでバランスとってやりくりしてきた動かし方は、活かす方にしていきたいとわたしは思います。
 
どの選択肢を採用するかは、その人の目的次第です。
答えは外にはないので。

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