野先生が珍しく、「図書館で借りてでも」頼むから読んで……とFBで投稿されていました。

2021/7/30
「匿名性が高いし大したコメントじゃないから特定されないだろうと軽い気持ちで非難する人、、、この本は、そんなあんた自身の話ですよ。」
中野先生の著作はよく読んでいて、全部じゃないけれど数回過去ログに出てきます。(こちら)
さっそく読んだのですが、なるほどな~と思ったのは日本人の同調圧力の高さです。
島国だから、といいつつイギリスなんかそうじゃないですよね。

地形の影響でどうしたって日本は災害大国で、あっという間にごそっと人口が減ってしまうから、立ち直るにはグループで協力し合うしかないんです。
個人の意志より集団の目的を優先して生き残ってきました。

そうやって生き残った遺伝子が私達なので、群れからはみ出すことは存在も脅かされるのに等しいから、恐怖心が出てくるのは仕方がない。
風土の違う国のルールを持ち込んで同じように振る舞えという方が、苦痛です。

だからといって、同じ行動、同じ選択しかとれない集団は危険です。
何らかの要因でそれまでとガラッと環境が変わると、全滅だからです。
私達の中には、そういった「あえてリスクを取った」種も残っています。

●よそんちのことやん

中野先生の本は、答えが書かれていません。
特に今作はなるほどがあれど、ふわふわしていて、ん?? それで?? と読後感が微妙でした。
それで延長して再読しようとしたタイミングで、購読している料理コラムニスト山本ゆりちゃんのブログでドンピシャな出来事が起きたのです。

子どもたちの夏休みにご実家で過ごした様子なんですが、わたしはコメント欄まで読まずにクローズするので、翌日にこれが気に入らんとコメントがついたことを知りました。

要するに、「わたしは辛抱しているのに!!」です。
自粛してどこにも出かけない、家族にも会わないようにしているのにこんなことブログで公開するなんて、と。

タイトル通り「他人を許せない人」のコメントだ~。
ゆりちゃんは「情熱大陸」でコメ欄が絶対に荒れないよう、先にフォローするのを心がけているって言ってました。
すぐに、実家は歩いていける距離で、常日頃からお迎えもお願いしていると追記がはいっています。

●対立はなくならない

著作を読み進めると、「人の脳は、対立するようにできている」「正義中毒のエクスタシー」「理性は直感に勝てない」そして「人間自身が本当は一貫性がない」という現実を突きつけられます。

他人に一貫性を、基準を当てはめるのは勝手ですが、なんの関係もない他人(この場合はゆりちゃん)にぶつけるのは理性的ではないと思います。
TVの向こう側の人に向かって怒っているようなもんですから。

こういう事を言う人はいずれ、自分の発言で自分の首を絞めます。
なんせ自分だって一貫性のない行動をします。

そして「他人を許せない」ことは、加齢でどんどん増えます。
「許す」ための足がかりである前頭前野は萎縮していきます。でも、「脳が老けない」ためにはどうすればいいのか。
脳科学者らしくそこにも触れています。

「そもそも他人に一貫性を求めること自体をやめる」
「どうでもいいという感覚を距離感にする」

この2つは、ガーッと入り込みやすい自分にとっても意識しておきたいと思いました。
加えてわたしは自分にも一貫性を課してしまいがちなので、もっとええ加減に生きたいです。

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