震災関連の特番や、特設サイトをずっと見ています。
どれを見ても嗚咽してしまい胸苦しさでいっぱいになりますが、少しも目を離せません。
知っておかないといけないことがたくさんあって、しんどいとか言ってられないです。

6日に放映されたNHKスペシャルは、毎年放送して欲しい、それくらい重要な内容でした。

「津波避難 何が生死を分けたのか」 - NHKスペシャル - NHK

再放送は10(水)午前0時30分〜(9日/火曜深夜)[総合]です。

みんな避難しようという意志はある。
でも行動に移せた人とそうでなかった人の違いはなんなのか。
10年間データを集め、分析した結果です。

避難できなかった方の共通点は、地震発生時「自宅兼店舗」にいたことでした。
お店の片付け、お客さんの安全確認など避難を後回しにしがちなのです。

避難行動に移すっていうのは、すごく敷居が高いです。
その一歩を踏み出せたきっかけは、だれかの一言や行動で「率先避難者」と呼ばれ、生存者数が大きく変わりました。

あるご家庭では、ラジオで津波が6m越えると知り近所に声を掛け合ってそれが連鎖をうみ、集落の避難行動に繋がりました。

別の地域では、避難場所の公民館にいったん避難が完了します。
しかし館長さんが消防車の無線を聞いて、公民館(2階)の高さを超える津波が来る、ここではなくもっと内陸へ避難しろと誘導するんです。
いったん避難してしまうと安心してなかなか動けないと思う、すごい判断です。

館長さんは10年目にして当時の自分の誘導でどれだけの人が救われたのかを知ることになったのですが、それでも亡くなった人がいたこと、自分は助かったからこそ悔やまれていました。
そんな……どうか責めないでほしい。

ある集落は過去に大津波が到達していることからも、避難意識の高い地域でした。
過去の津波時にも無事だった高台、当時のシミュレーションでもそこは津波が到達しなかったので避難場所に設定した当時の防災課長が泣かれていました。

普段からその高台へ逃げる最短ルートを模索して、何度も訓練していたんです。
震災時も集落みんなが素早く高台に避難していました。「安全だと思っていた」から。でも、想定した津波を遙かに超えた津波が到達するんです。
もっと内陸に逃げる時間があった、逃げていたら助かったはずだと泣かれる課長さんを見てわたしも嗚咽。

門脇(かどのわき)小学校の避難行動については、番組を見たあとこちらを併せて読んで下さい。ブルーシートの謎も解けます。


Netflixには、まだこんな番組を作ることはできないです。
NHKだからこそ、作れたと思う。

判断、行動、絶対の安全はない中、よくできたなと思います。
わたしはまったく自信がない。 
「ここは安全だ」と思ってしまいます。
重要なのは情報、そして強いのは電池によるラジオなので、電池は切らしてはならん。
蝋梅
冷たい空気でも春は来る。
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