洋子さん自身が長年ストーカーに苦しめられていたことを、全く知らなかったです。
この著作に興味を持ったのは、

 

感想を書いた桶川ストーカー事件に連動しているからです。


芸能人の方がはるかに長い時間、ストーカーという概念がない時代から“粘着ファン”に執拗につきまとわれてきています。
でもそれは仕事柄おおごとにはなりにくい。
なので、芸能人は眼識でもって“こいつおかしい”という人間を早々に勘づき、対策を練る。
そこが“殺されずに済む”岐路。
しかし、実家に上がり込まれるとか(しかも遙さんの兄がいない時間帯を狙って、年老いたご両親しかいないときに。つまり知能犯)、遙さんがいくら危機感を持って警察に訴えても、実害ないんでしょファンなんでしょと相手にされないし、実兄ですら自分に対してヘラヘラと頭下げるストーカーに遙さんほどの危機感を持てないのです。

一気に読了したのですが、警察だけでなく身内にも味方がいない心細さに、読み返すメンタルがなかなか起きないほどダメージ受けました。

遙さんの巻き返し、対策については読んでいただくとして、とても重要なのは
「まともでない職業の見破り方」P141
①服装が派手(わかりやすい虚栄心)
②オーバーアクション(声が大きい。過剰な自意識)
③強さを弱い立場にひけらかす(ウェイトレスやタクシー運転手に対し)
④無礼・デリカシーがない(じっと見る、相手との距離感がない)
⑤些細なことで大声を出す(「酒が冷えていない」とか)
⑥姿勢が悪い(「ちゃんと背筋を伸ばす」機会や環境が少なかった)
⑦酒・たばこ・女など、快楽的なものに依存している雰囲気(酔い方、声ががらがら、親しい女性とそうでない女性との態度が極端に違う。無礼な態度をとってもその女は俺から離れない、ということを周りにアピールしたい)
⑧感情がわかりやすい(大人は感情を隠す)
⑨中央に居りたがる(写真撮影時やみんなとしゃべるときなど。他人の話をじっくり聞けない)
⑩ここ一番の店が一流店ではない(ちゃんとした店では自分がくつろげない)
⑪バランスが悪い(ブランドだらけだったり、柄物ばかりだったり。お洒落ではない。お洒落なセンスはすぐには身につかない)
⑫尽くす俺、が好き(怖い人間に尽くす姿勢で、欲しい獲物にも尽くす。尽くし慣れていたら気をつけた方がいい。誰かに尽くしてきた男、ということ)
⑬子分や弟分みたいな関係の友人が多い(支配したい、ということ。社会は頭を下げたり下げられたり、対等だったりでできている。俺だけが偉そうにできる関係が上機嫌なら、少人数の宴席でも危険信号)
⑭何の職業か一見分からない名刺(わざとわかりにくくしてある)
⑮肩書きだらけの名刺(あれもこれもするすごい俺、を主張したい)
⑯行儀が悪い(食べ方、散らかし方、座り方)
⑰目つきが悪い(不満ばかり口にする女性が不機嫌顔になるように、ドスを効かしてきた男はそういう顔になる)
⑱なんとなく力が入っている(舐められたくない感情。コンプレックス。健全な環境に慣れていない)
⑲すえたオーラがある(良質の栄養摂取や運動をしていない。前向きに生きていないことの長期化)
⑳カネがあることを初対面でもひけらかす(奢りたがる・自慢する)

タイピングしているだけで吐きそう。
9月末に狂犬に絡まれたんですが、まさにここに出てくる様態が当てはまりまくっています。
“狂犬”は例えでいちゃもんつけてきたのは女性だったけれど、腕を掴まれ引っ張り回され、肩胛骨からしばらく痛み、ほんま警察に電話すればよかったと後悔しました。
こういう輩には正論は通じず、さっさと逃げないといけない。

これらを踏まえて、第四章「生還するために」では桶川ストーカー殺人事件に即して、と『桶川ストーカー殺人事件(清水潔)』からの引用でどこで早期発見できる可能性があったのかを検証されています。ご遺族の方に配慮してとても慎重に書かれています。
この検証こそ、警察がストーカー対策の資料として配布していいと思います。

ぶっちゃけ、警察にも有効な手段がなく、「情報提供お待ちしています」という姿勢であると著作で初めて知りました。
ストーカー対策については、警察よりも女性団体の方が力になってくれるということも。P168

読むのがしんどいけれどぐいぐい引き込まれます。
殺されずにすむには。
生き残った方の貴重な証言です。



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