年前から計画していた藤鑑賞プラン、いよいよ決行の時がやってきました。
そもそものきっかけは昨年10月に見つけた「いとし藤」です。
いとし藤
Google画像検索より。
「い」を十書いて、最後に「し」で通す、藤の花に見立てた恋文です。
日本舞踊や歌舞伎の演目『藤娘』の歌詞 にも使われているそうで、藤の花言葉「あなたの愛に酔う。恋に酔う」と合わせて考えると、色っぽいじゃないですか。
これは江戸時代の絵描き遊び言葉遊びだそうですが、「かまわぬ」みたいな判じ物の一種かな。

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自分でも書いてみたところ、いやあ難しい。
どう書いたら藤っぽく見えるかなあとあれこれ字体を変えてみましたが、そもそも藤の花をちゃんと見てないからダメだ。→藤を見に行くぞ! 

「語りはいらんねん、さっさと藤を見せろ」という場合は、
FBページのアルバムへ。
コメントもなく大量UPしているので、スマホだとすいすい見やすいと思います。
FBアカウントがなくても閲覧できます。
ユーザー登録してねというメッセージをくぐり抜けて下され。

●気温上昇で相次ぐプラン変更


関西近郊で藤を観賞できる場所をリサーチすると、例年GWが見ごろになる。だったら春の遠足候補にしよう。
しかし気温の急速な上昇によって桜同様藤の開花も前倒しになり、満開予測が10日以上はやい4月下旬ならば当初の候補から外していた萬葉植物園にいけるかもと、行き先も行く日も全て直近で変更。

平日といっても仕事もあるし、行けるのは雨の予報が出ている4月24日(火)、曇りで傘は確実に要らない26日(木)のいずれか。どうする。
天気予報で重要なのは、気温と降水量です。
信頼のウェザーニュースによると、奈良の降水予報は1mm。
藤シーズン晴れの萬葉植物園は、入場にも行列するというのがツイッターで判明しています。だったら雨だと人少ないんじゃない?

24日の朝、起きたとき雨は降っていなくてしかも明るい空を見て、勝ったと思いました。
もし黒雲ならばさすがの晴れ女でも厳しいけれど、この明るさなら行ける。
腹立つことがあって午前4時まで寝付けなかったが、出発です。

●秋から再来、奈良公園


近鉄電車で奈良に向かうときには雨が降り出しました。
しかし奈良公園に着いてみると、木立のおかげでキャップ被ってたら傘なしでもいけたなという雨量。
しまったー、キャップとカッパスタイルで来たらよかったよ。
雨の予報のおかげで日本人観光客の姿はぐっと少なく、外国人観光客の方が多いくらいでした。よしよし、読み通り。
そして、鹿がおらん。
去年の秋(若草山日記)、あんなにたくさんいた鹿は木の根元で丸まっていたり、歩道を歩く姿はすごく少ない。濡れるのはイヤなんだね。
春日大社参道
春日大社一の鳥居まで緩やかな上り坂を足早に進み、参道に入ります。
どうよこの光景、サイコー。
萬葉植物園
着いた!! 萬葉植物園です。もちろん列なし。

春日大社のサイト
には藤の開花状況がちょくちょくUPされているんですが、あの謎のテンションのテキストよりも園入り口にある開花状況の画像をUPする方がいいと思います。
「20品種200本の藤」があり、4/24時点で「早咲き~中頃咲きが満開」とあるんです。
満開の品種名がずらっとラベルになっていて、17品種。3品種は遅咲き種なのでしょう。
入り口の案内は、帰りに読み返すと理解が深まります。

●幽玄の萬葉植物園


大人入場料500円を払い、いざ右手の藤の園へまっしぐら!
藤の園の手前は椿園、ポツポツとまだ花をつけている木もありましたが、
萬葉植物園 古木イチイガシ
無人過ぎてどこかの山に迷い込んだ気分です。
古木イチイガシ
古木イチイガシ
園内の古木がそのまま植物の土台になっている。
まさかこのような生命連鎖を見ることができると思わず、園の奥深さにガツンときた。
藤の園
ここからが藤の園です。なんかいい香りがする!
園内には池と川があり、
ワサビ
ワサビを植えられるほどの水って、すごすぎる。
雨の様子、伝わりますかね。
園内の藤は古くからの棚造りと、目の高さに仕立てられた立木つくりがあります。
藤棚
藤棚でお迎え。
藤棚の下にはところどころテーブルセットが設置されていて、休めるようになっています。
優しい設計なのに、この日は雨で濡れていて全く座れなかった。
藤
ああ~めっちゃきれい~~~
ほんとに目の高さで見ることができるんですよ。
藤
藤
古いコンデジにしては、水滴まで綺麗に写った。
藤
いくつも橋が渡されていて、水辺で藤の通り抜けができます。
藤
藤
「黒龍」の名前の由来は、花の色が濃いからかな。
わたしは黒龍の色がいちばん好きです。
藤
藤
藤はマメ科フジ属のつる性落葉木本。
花のアップを見ると、ああマメ科って納得します。
藤
とても気に入ってる。藤がブドウみたい。
藤
黒龍よりもちょっと薄いのは、「九尺」。
あちこちの藤の名所でずらーっと咲いているのは、この九尺が多い。
白いのは白野田。
藤
花菖蒲の緑が生き生きしています。

園内を歩いて頭に浮かんだのは『幽玄』です。こんな光景が21世紀でも見られるとは。
来てよかった……
それで香りはどうなのという後半に続く。