日の一冊はこちら。


記事タイトルでアダルト認定されなければよいのですが。
私小説だそうです。
タイトルが直截的で逆に深読みしたくなりますが、そのまんまでした。

きっかけは山本ゆりちゃんのブログだと思います。

https://ameblo.jp/syunkon/entry-12227997819.html

https://joshi-spa.jp/630628
著者こだまさんとゆりちゃんの対談が2016年末にUPされている。

扶桑社公式特設サイト

https://www.fusosha.co.jp/special/kodama/

「交際してから約20年、「入らない」女性がこれまでの自分と向き合い、ドライかつユーモア溢れる筆致で綴った“愛と堕落”の半生。“衝撃の実話”が大幅加筆修正のうえ、完全版としてついに書籍化!」

「文学フリマ」で販売した同人誌に掲載していたのが元だという情報が流れてきて、図書館の蔵書検索で珍しくヒットしたので予約しました。

すぐに次がわたしだという予約残数になったのにもかかわらずお知らせメールが来ず、おかしいなと思っていたらなんと半年以上経って
「すみません、ご予約の本が紛失しまして」
と連絡が。

正直時間が経ちすぎていたのとほかにも予約していた本があったので、
「えっと、なんていう本ですか?」「おっとのちn」「あー!! すみません!! わかりました!!」
そんな紆余曲折を経て年末から読み始めた本です。

読み始めてすぐ、しまったこれもしかしてブログの文章が元かも知れないと思いました。
ブログの書籍化って、センテンスが短すぎて好みません。
横組み前提のブログと、書籍の縦組みってそもそも全然別物だと思っているからです。
実録ブログマンガの書籍化もあんまり好きじゃないわ。

なんてネガティブな印象は置いといて、続きが気になってサクサク読んでしまいました。
私小説ということだから主人公の名前は出てこないんですが、著者名のこだまさんでいいのかな。夫の名前も出てきません。

読了しての感想は、久々に文学を読んだ気がする。
太宰治の「人間失格」とか思い出しました。


マンガ版を貼っときます。

推理小説をずーっと読んできたので、読書においてはなんらかのカタルシスやスカッと謎解きというエンタメ性を重んじます。
それに対して文学って、うだうだ悩んで日はまた昇るのくりかえし。カタルシスゼロ。
日常ってそういうものですが、わたしの偏った文学観がまるっと現代風になったのが、著作だと思いました。

でもこの話は自己肯定感がどん底の、臆病でとても優しく繊細な方の話。
こういう生き方があってもいいんだし、Amazonレビューで荒れるほどかなとちょっと鼻白んだ。
みんな、厳しすぎない?
扶桑社の広告宣伝のやり方と内容が合わなかったっていう程度じゃないかと。

性交渉の成立しないこだまさんのことを夫がどう思っているのか、ほとんど描写はありません。
ただ一箇所だけ、こだまさんの父とのやりとりにおいて

「そうですか? 僕はこんな心の純粋な人、見たことがないですよ」P160

もうこれだけでいいじゃない。
世界で一人、こだまさんが一緒にいたいと思った方が、親よりもこだまさんのことをちゃんと理解してくれているんだから。

年始早々お布団の中で泣きながら読んだ本でした。
でも、実写映像化&漫画化するほどかな……