ングリヴィングとドテラネタ(過去日記)でリンクした書籍、「ニューカルマ」読了しました。
午前中に借りて夕方までに読み切ってしまったほど、一気に読める。
ネットワークビジネスを題材にした小説です。
著者インタビュー、読書前に読んでも差し支えありません。
https://standbk.co/blogs/22

出てくるのは架空のネットワーク会社ですが、
「これこれ、常套句だよね」
「あそこがモデルかな」
と思い当たること、多々ありました。

主人公のユウキは、友人にネットワークに勧誘されるのをうざったく思っている、ごくごく普通の会社員です。
彼がネットワークビジネスに感じる胡散臭さは、読者も至極ごもっとも、とても感情移入できる。
そんな彼がなぜビジネスを始めることになったのか。

二転三転し最後のオチを読んだとき、
「あーこれも、あるある」
と納得できました。
オチを書きませんが、たしかにネットワークビジネスで一番稼げる方法は、これです。
ではこの最後の手段以外で、ネットワークビジネスで稼げる方法はあるのか。 

なぜ稼げるのか


ネットワークビジネスをやる方を何人も見てきたのですが、稼げるひとには特徴があります。

①目の前のひとに執着しない
セールスする相手と縁が切れても、なんらダメージを感じないセンス。
これはメンタルが強いというよりも、本当の意味で目の前の人をただ見ているだけ。関係性を見ない。
友人であったり親戚であるという関係性を見ないで、目の前の人と接することできるでしょうか。
全く知らない赤の他人ならともかく、普通はなかなかできないと思います。
関係性を見ていると、セールスをしたときどのような化学反応が起きるのかがこちら。

P72 ユウキが大学時代の友人にセールスしたとき、
「それだよ、それ。一番引っかかんのは。俺がお前の下につくってこと。俺はお前と対等になにかすることはあっても、お前の下で動くってことはありえない。俺はお前のために、というか、お前の儲けのためになんか時間を使いたくないから」
こういう流れになります。
友達に声をかけたら至極当然。これにダメージを受けるようなら、稼げません。
では、どういう人なら買ってくれるのか。

②ファン作りがうまい
ファンは買ってくれます。
アイドルのファンは、お願いしなくても喜んでお買い物します。
ファンならばセールスしても、上のような反発は返ってきません。
友人や親戚に売ると上下関係が発生しますが、ファンはもともと下ですから、化学反応が起きません。
(ファンは自分が下だという自覚はなく「支えている」という意識だから)
「普通の主婦でも成功する」んじゃないんです。
ファン作りがうまい人というのは、確実にいます。
こういう人は会社員であっても社内成績が飛び抜けていいので、“普通の”とは言えない。

③余裕がある
“目の前のひとに執着しない”に連動するかな。
興味を持たれなくても、他にまだセールスできる相手がいれば、必死に売り込みなんてしません。
ネットワークビジネスコミュニティとは別に、本業で一定数の顧客を常に抱えていたら、そういう余裕を持った後腐れのないセールスができるのです。
ネットワークを本業にし、
「権利所得がほしいから!」
と目の前の人を逃がさぬよう必死になればなるほど、相手は去ります。

稼げる人との違い

ネットワークビジネスを始めるきっかけって、たいてい「余裕のない時」です。 
つまり、スタートの時点で大半は稼ぐことができないのが自明です。
そんな状態でスターターキットの金額を取り戻せたら、御の字。
だいたいほんとに儲かるなら、目の前でセールスしているお前はなんやねんですよ。
儲かってないからセールスしとるんちゃうんかい。
(ベンツ買って海外旅行に行ってるトップは、借金してるよ~)

「いいものを伝えたい」とお為ごかしていますが、結局は「楽して儲けたい」という本音が見えているから、不快なんです。 しかもタチの悪い不安ビジネス。
「●●が悪い」と言いだした段階で、わたしの耳はガラガラビシャーっとシャッター降ります。
●●に入るのは、資生堂の化粧品とか、コンビニの弁当とか、農薬とか。

宗教の勧誘も同じ。
わざわざ必死こいて勧誘せなあかん宗教に、なにが救えるのか。
ネットワークや宗教では、こういった集客活動は“善行”としていますね。
人はいいことなら喜んでやるんですよ、役に立ちたいですから。うまい仕組みです。
余裕のない時は、冷静な判断ができません。

中には余裕のない状態でスタートして稼ぐ人もいますが、当然目の前の人を関係性ではなく「ただの人」としか見ないので、人間関係は壊れます。
ただし、ファン作りスキルと連動していたら、もとの人間関係に固執せず新しいコミュニティを作ることができます。
だから、目の前のひとに執着しない人は、強い。
ある種の“ピュアさ”を感じます。
全く罪悪感のない、突き抜けたピュアさといいますか。

■「マルチ商法には気をつけろ」DMM亀山会長が説く、お金と人間関係のルール(ログミー)
http://logmi.jp/147408

亀山会長の言葉を借りるなら、ピュアさの正体は自分を徹底的に欺しきっているってことかも。

①②③をクリアーできる人は、ネットワークビジネスを渡り歩けます。
築き上げたピラミッドそのままに行くので、大きいよ。
2010年 アムウェイを開始
2012年 ミキプルーンを開始
2014年 フォーデイズを開始
2016年 ニュースキンを開始
というように、商材が違ってもファンは「この人から買う」ことに満足しているので、なんでもいいんです。
会社名は、2016年ネットワークビジネス売り上げランキングのトップから並べただけで、他意はありません。
このページ、最初に出てくるのは世界ランキングです。そして
「MLM世界売上ランキングにおいて、今年夏に日本上陸予定のネリウムが創業4年目の売上が38位で初登場しました」
ネリウム、覚えておきましょう。


「ニューカルマ」を読んで、
「自分はこんな風にならない!」
「前もってこれがわかっていたら、同じ轍は踏まない!」
と思った人は、ネットワークやめた方がいいです。
むしろ「この人、なんでこんなことなっちゃったんでしょうね(ニコ)」ぐらいの人なら、多少は稼げる。
力(りき)みや覚悟、理想なく飛び込めないと、自分の力で自滅します。

わたしは、ネットワークビジネスは
「他人にババ引かすビジネス」
と解釈しています。
やってる当事者にも言ったことあるよ。
微妙な顔されるけれど、向こうは本気でやってるのなら、こっちだって本気で思っていることを返します。

ネットワークビジネスについて20年くらい見つめてきたのもあり、長い読書感想文になりました。
長く書いたけれど、ネットワークビジネスをやっている人を蔑視しません。自分の人生なので、したいことをすればいいです。他人に迷惑掛けない範疇で。
ネットワークについてもういっこポスト。

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