らがなは全く甘くないです。

漢字より一画のストロークが長い「て」「そ」「ひ」なんかは、大人でも字形を整えて書くのが難しいと思います。

教室では、学習者さんと対面で添削しているので、手元を必ず見ています。
鉛筆の持ち方や脇の開き具合、そして筆順(お子さんには、書き順といいます)。

結構な確率で書き順が違うのが、「ま」「も」です。
高学年になると、ひらがなの定着より漢字学習に重きを置いてくるのでだんだんいい加減になってきます。ところが学んだばかりの一年生ですら、「え、そうだったっけ?」という書き順です。

学校の授業では書き順までチェックしないし、学習塾も「書き上がった解答」を見るため、書き順は下手したら誰にも確認されないまま成人します。
漢字の筆順は、漢字検定や硬筆書写検定で出題されるため成人後も改める機会があれど、ひらがなはそうそうないです。おそらく、お子さんの勉強を見ているときに、「あれ?」となることが多いのでは。

学年問わず多いのは、「ま」。
横画2本が書き始めですが、縦画を書いて結んでから、横横、とするケース。
(手の動きを見ていると、器用で驚きます)

お手本の文字に書き順の番号をうち、
「横から1、2だよ」
おとなの場合は「末」が「ま」の字源(じげん)だからと説明したら書き順も納得されるけれど、
「ま」
一年生のネネちゃんにはそんなの通じなくて、それどころか

「“も”はあとで横棒かくのに、“ま”はなんで先なん??」

“も”の字源は毛、しかし漢字とひらがなで書き順が違う。
漢字は横棒が先で、ひらがなはあとです。

これは、楷書体、行書体、草書体、そしてひらがなという字源の変移を見ればわかりますが、小学一年生になんと説明すればよいのか。
字源から理解していると、「横画2本」という共通点で全く認識したことなかったのです。

「わかった。先生調べてくるから、来週な!」

「なぜ」に対して、“こういうきまりだから”
という回答は、できるだけしたくないです。
「なぜ」をきっかけに、いろんなことにどんどん興味を持ってほしいですから。

次回、回答編。