書いたユニルメスリッポンの試着時、こんなことがありました。
ユニルメの隣、ユニクロシューズコーナーにいたおばさんが
「こっちとこっち、値段が違うんだけれど、なにが違うの? 」
通りかかったスタッフに聞いています。
「こちらはデザイナーとのコラボ商品でして、価格が違うんです」
ユニクロオリジナルは1990円、ユニルメは2990円。+税

ちゃっかり聞き取りながら黙々と試着していると、おばさんもユニルメスリッポンに興味を持って試着し始めました。
鏡の前で同じ靴を履くことになり、あら、うふふと笑いかけたところ、
「あっちのと、どう違うのかしらねえ」
「あ、木型が全然違うんですよ。あと、サイズ展開もユニクロは1センチ刻みですが、こっちは5ミリ刻みです」
「そうなの! あっちもこっちも24センチがちょうどいいわ。でも、あっち(ユニクロ)は重たくって」
重たい?

履いているユニルメの捨て寸を確認すると、
「捨て寸ちゃんとありますね。つま先が当たっていませんし、サイズ感は大丈夫ですよ」
「あらお姉さん、店員さんよりも詳しいんですね(^-^)」
え、ええ、まあ(^^ゞ
「こっちは軽くていいなあと思って。でも、この横の穴から水が入ってこないかしら?」
「水が入るほどの大雨の日には、履かれない方がいいですね〜(^-^)」
「それもそうねえ、白だしすぐに汚れちゃうだろうから、ワンシーズンもてばいいわね。見てくれてありがとう、こっちにするわ」

ユニクロオリジナルはソールがユニルメよりもふっかふかです。
足に合う人はあれでもいいのですが、重たいと感じるのなら足に合っていない可能性が大きい。
履いてみてあっちにすぱっと決められないってことは、なにか理由があるんだと思います。

この時点で白と黒の着用感が違うことに訝しんでいたわたしは、おばさんにも色違いの黒の試着もすすめたのですが、夏だし白にするわ〜とそのまま決められました。
そうなんですよね、ユニルメといったかて3000円程度のスリッポンなんです。
ありがたがる必要全然ない、ほんと履きつぶすアイテムです。合わないなら買う必要全然ないです。

こっからはわたしの妄想タイム。
ユニクロ
おばさんが試着していたのは一番左、シューレーススニーカー
近くにある大型ショップで同じようなシューズを探したところ、
「結構お値段がしたの」
という理由でユニクロに流れ着いたそうで。
ワンシーズンで履きつぶすというコスパ意識なら、玉石混淆のあそこで売ってるものは高く感じるでしょう。

おばさんが漏らした「こっちは重い」というのが気になり、自分の買い物のあと売り場に戻ってユニクロオリジナルとユニルメを比較してみたのです。
うーん、底が厚い分ユニクロの方がちょっと重いのですが、全体重を支えている足から見ると、こんなのは「重い」とはいえないです。
ソールの屈曲を確認したところ、ユニクロは厚底な分、固い。
おばさんがユニルメを「軽い」と感じたのは、重量の問題ではなくソールが薄くて足にくっついてきたからでしょう。

「重い」から即決できず、隣のユニルメが気になって店員さんに違いを聞いた。
履いてみるとユニクロオリジナルより「軽い」段階で、わたしがいなくても心はもう決まっていたと思います。

耐久性はユニルメの方が劣りますが、「ワンシーズンだから」という目的には適っています。
ユニクロオリジナルの厚底は、むしろあれがいいと気に入って愛用している方もいるので、厚底に負けない人なら問題なし。
おばさんはそんな理屈はもちろん知らず、ただ、「重い」からピンと来なかった。
そこで「安いから」とユニクロオリジナルを選んでいたら、足の甲で引っかけるようなあし運びですぐに疲れることになり、履かなくなると思います。
その感覚を信頼して正解。

フェイスブックページにはユニメルに足入れすると脳が拒否し、VANSの方がスリッポンらしい納得の履き心地だったというコメントが寄せられています。
こういうことがあるから、靴はおもしろいんです。