ページに書いた「ボールペン、シャーペンの弱点」、詳細です。

大人に負けずお子さんも文房具が大好きです。
教室に置いてある貸し出し用の文具、販売品、そしてカタログなど嬉しそうによくチェックしています。
わたしは興味を持った文具は、どんどん触らせます。

ある日筆ペンをやってみたいと言ったネネちゃん(低学年)に、筆ペンとボールペンとシャーペン、鉛筆がどんな風に違うのかを、「書いてみ」と渡しました。
まだ鉛筆でうまく書けないから、筆ペンやシャーペンに浮気している気配があったんです。

「書いていいの!?」
ええよー
「なに書いたらええの?」

じゃあまずは、横棒の漢字一。 にょろにょろ。
もういっちょ横棒。
はい、次は縦棒、十。
二、三 というように、線引きから。

次に、同じ筆ペンでわたしが同じ画(かく)を書いていきます。
このとき、穂先をトンと置くことを強調。
トンと置いて、ぎゅーっとひく。

「おおおおおおーーーーーーーぜんぜんちがう!」
ホホホ

「じゃあ、次は鉛筆。2Bと4Bで書いてみ」
4B書きやすいー(^-^) そやろ
わたしも鉛筆で、筆ペンで書いた画を書きます。
トンと置いて、ぎゅー。
「筆ペンとおんなじや!」
でしょ。

次はデスクペン。
「かりかりする(´・ω・`) 」 (うまく扱えない)

次はシャーペン。
「キシキシする(´・ω・`) 」 (芯はポキポキ折れていました)

次はボールペン。
「ゴロゴロする! 石の上で書いてるみたい(笑)」
うわ、どうですかこの発言、真理です。

「そやろ。ボールペンって先にボールが入ってて、くるくる回ってるからゴロゴロするねん。石の上で書いたら上手に書けるわけないやろ? だからおとなの字は汚いねんで」

「シャーペンは学校で使ったらあかんって言われてる?」
「うん、でもねえねは使ってるよ。小学生はなんでダメなん?」
「お姉ちゃんは中学生やんな。中学生は、ネネちゃんよりもいっぱいいっぱい勉強してない?」
「してる! 塾も行ってる!」
「そやろ。だからな、ちまちま鉛筆削る時間なんてないねん。そんくらい忙しいねん。ゆっくり字を書く時間もないんやで」

お子さんは鉛筆削るのが大好き。
ちょっと減ったらすぐ削るけど、中学生にはそんな時間がないのだ。

「えんぴつで書くと、筆ペンで書いたみたいな字も書けてるやろ? 鉛筆が一番字が綺麗になるんよ。だから字をお勉強するときはシャーペンよりも鉛筆がええねん。芯がポキポキ折れてたら、ノートの書き取りにすっごい時間かかるで。学校では、シャーペンダメっていうだけで、理由まで教えてくれた?」
「教えてくれないー」

ボールペンでも上手に書ける方はもちろんいらっしゃいますが、字が乱れるのはこういうわけです。
そして、お子さんの手は未発達でシャーペンをうまく操れないから、鉛筆の方がいいんです。
うまく書けなくていちばん悔しいのは親御さんではなく、当事者であるお子さんです。

小学校でも高学年だとシャーペン可になるのは、このようにちゃんと理由があります。しかし学校では、シャーペンダメっていうだけで、理由まで教えません。
頭ごなしにダメと言われても、納得できなければ、ただの服従です。
服従姿勢での勉強はこなし作業、学びではありません。
頭押さえつけられての勉強なんて、大人でもいやでしょう。

「なぜ?」が「わかったー!」になるその瞬間が学びだと思うので、どんなことであっても学習時の「なぜ?」を尊重するのです。

なお、小学校における鉛筆・シャーペン使用範囲は学校でずいぶん違っています。
以前もリンクしたけど、再び。朝日新聞の「サザエさんをさがして」に興味深い例が載っていました。
■主流は「HB」から「2B」へ:朝日新聞デジタル
秋田県大館市立有浦小では、原則として4年までは「4B」か「2B」、高学年では「2B」「B」「HB」と指定。
これ、いい取り組みだなと思います。
学びにおける道具選びは、とても大切です。

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