画展のミッション(前の日記)で実券とともに図録も購入しました。
春画展
チラシと実券のデザインは、鏡越しの足という素晴らしくエロスな構図です。わたしのためですか。

図録は257×149mm、B5版をちょっとスリムにした版ですが、厚みが62mm。
いい紙を使っているので、重さは1243gございます。
電話帳よりもぶ厚く、持ち歩くとだんだん体力が削られます。
透明の手提げビニールに入れてくれるのですが、チラシを入れてくれるため表紙は周りに見えない配慮をしてくれます。
図録一冊4000円。

18歳未満は春画展の入場禁止かつ、物販エリアにも入ることが出来ません。
図録もサンプル以外シュリンクがかけられ、通販もできないのです。
はー??
無修正の春画を取り扱った書籍はすでに20年前から販売されて、その辺の本屋で誰でも買うことができるのに、いったいどこの誰がこんなばかばかしい圧力を掛けているんでしょうね。

これから行かれる方は、図録のために本棚に62mmのスペースを確保してから出かけて下さい。
どーんと置いとくと、あまりの存在感にもてあまします。
物販エリアで売られていたこの書籍、おもしろかったです。

図録に掲載されているのは東京の永青文庫展示品なので厳密には京都展示と合わないものもありますが、解説も読み応えあります。

メインは大判ですが、関連図は小さいサイズで掲載されているため、ものによったら細部がちょっと見づらい。
なので、以下のわたしの研究はあくまで参考に。
春画展で気がついたのは、足の表現です。

「脚(レッグ)」は骨盤から足首まで、「足(フット)」は足首からつま先までを表します。
http://chigai-allguide.com/%E8%B6%B3%E3%81%A8%E8%84%9A%E3%81%A8%E8%82%A2/

足の指、足の裏の表現がとても豊かなのです。
前足部の肉付きが恐ろしくよく、分厚い。
足指も一本一本が全てしっかり動いていて、まるで手の指と同じようです。

春画って局部の大きさがインパクト強いですが、でも実は、エロ漫画のように局部のアップというのは少なく、頭からつま先まで全身入っている構図がとても多いです。
胸も丸出しではなく、着衣が多い。
これは呉服屋と組んで、着物の柄のカタログ要素もあったから。
いまでいうファッション誌と同じ構造ですな。

着衣エロの良さは衣類のはだけたところにある、「見えそうで見ない」部分です。
なんとなく、足先までしっかり入れた構図って、こういう嗜好を反映させるためなのかなと思いました。
あと、足での感情表現ですね。

気になったので西洋にこういう絵がないかさくっと検索したのですが、キリスト教圏ではこの手の接合図は言語道断、自慰すらダメな文化だから思うような絵は見つけられなかったです。

ついでに足マニアっぽく、図録に収められている絵の中で、足袋を履いているものをカウントしてみました。
13枚。
小さいサイズの図はちょっと曖昧なので、ざっくりカウントとみて下さい。
大半が素足。
足袋は高級品だもんなー。

でも、高級であるのとは別にやはり素足で感情表現をしたいという要素があったんじゃないかと思います。
だって春画は大名の性教育に使われた要素もあり、ユーザーはリッチ層じゃないですか。

もっとも至極ふつうに閨では足袋を履かず素足がデフォルトというのもありそうですが、ちょっと妄想してみたかったのです。
あと、外反母趾らしき足は全く見あたりません。
西洋だと外反母趾は彫刻や絵画に古くから見られます。

足にエロスを見出すって、纏足はその暴走した例として、アジア圏の特徴?
次回はもうちょっと春画自体について書きます。
まだつづく