2月のことですが、京都の細見美術館で開催中の【春画展】に行ってきましたよ。

京都のバスが苦手なので、HPの案内通り
http://www.emuseum.or.jp/access/index.html
地下鉄東山駅2番出口から、会場を目指すことにしました。

同じ2番出口から出てきた若い女の子連れに、地元の方がどこに行くのか尋ねていて
「京都市美術館なら、あっちよ」
「えっ細見美術館? どこかしら??」
と戸惑いの声が聞こえていた。
お嬢さんたち、お仲間ですね。
細見美術館
「2番出口から北」というのを全く見落としていて、すたすた道路沿いに歩き、川に出て
「あっなんか違う、方向が違う!」
と気がついた体たらく。まさに地図が読めない女。
東に向かっていたようです。
でもこれ、“1番出口を出て北”と案内した方が親切な気がするー、ぶうぶう。

東山駅からは京都市美術館の案内ばかりで、細見美術館の案内は一カ所あるかないか程度です。
行かれる場合は、ロームシアター京都(画像では「京都会館」になってます)の案内を辿る方がはやい。
こちらは今年1月にオープンしたばかりなので、案内いっぱいありますから。

●ミッション1 実券を手に入れる


「実券(じっけん)」というのはちょっと業界用語かも。
イベント入場券はJRや旅行会社、コンビニでも購入できますが、これらは端末による「システム券」というくくりで、券のデザインは各社仕様です。

わたしは実券主義。購入口に行列が出来ていないのであれば、できるだけ実券を購入したい。
というのも、券のデザインが美しいからです。たいていシンボルポスターの図柄とおそろい。
そして、システム券は各社に手数料がかかるため、主催者には手数料を引いた金額が収入となります。
春画展
今回の春画展は、海外でとても評価が高いのにもかかわらず日本国内20以上の美術館施設は及び腰でした。かー! つまらんね!!

いまさら日本が【HENTAI】なのが、知られなくないのかね。誰が文句言うのかね。
そこに手を挙げたのが、東京の永青文庫(細川家)です。
昨年秋の大盛況をみて、及び腰だった美術館は臍を噛めといいたいですが、手を挙げられないんでしょうね。

関西では京都の細見美術館での開催がかない、小さな館であることだし、ちょっとでも収益になればと、実券主義を貫きました。
でもいま後期は観光シーズンだから、当日券窓口が列を作る可能性増えます。こんな人もおるよというネタに。
このような事情なので、チケット屋さんに入場券は出回っていません。

●ミッション2 列を乗り越えろ


平日のお昼に行ったので入館時の行列はなかったです。
ツイッターで大体混雑状況をチェックしていたし、余裕をみて突撃しました。


しかし、ツイッターによく出てくる
「只今入場待ち時間はございません。 展示室は大変混み合っております。」
この意味をよくわかっていませんでした。

館内は第一~第三まで展示室があり、これがそれぞれ混み合っているのですが、なんせ小さい展示室でロの字の二辺にずらっと春画が展示されているんです。
展示室に一歩踏み入れたときから、人混みに「うわ」となりました。
スタッフの方は「順路はありません。空いているところからご覧下さい」とアナウンスをされるんですが、人って並び出すと動かないんだよね。
もっと具体的に「左手が空いています」とか指示しないと、前の人を追い抜くとかしません。

各展示室は一度出てもまた戻れます。
物販コーナー手前でUターンできるので、先の展示室をみて戻る方がいいケースもあります。
実際に、さっさと先送りしてちょっとずつ戻りながら閲覧しました。
背が高いので展示の説明なんかも人の頭越しに読めますが、目の悪い人、背の低い人は並んででも前に行きたいことでしょう。

この日のためにコンタクト装用で挑んで正解。
ただし、また失敗したのは、耳栓です。
若い女性は春画のシチュエーションをみて「これ同人誌によくあるー」とか会話しているし、おじいちゃんは耳が遠いのかでっかい声で周りのお友達と話すし、カップルの女性はなぜか全然関係ない職場の愚痴を彼氏に話しているしで、集中できんわー!
(展示室狭いから、全部耳に入ってくる)
耳栓必須。

かなりせわしなく展示室を行き来しましたが、大満足でした。

★なんででっかいの?


春画というと「どう見ても巨大」な性器表現が特徴ですが、あれは
「実物通りのサイズ描いてもつまんねえだろ!」
という理由と、もういっこは“褻視(せっし)”という要素が推測されています。
“褻視(せっし)”は「肉麻(ろうまあ)図譜――中国春画論序説」中野美代子著作 に出てくる著者の造語で、
「デフォルメした秘所を肥大化して見せる、と言うよりも細部を凝視してありのままに写し取り、丁寧に画面に組み込んでいく絵が日本の春画において は頻繁に登場するわけですが、その、息を潜めて虫眼鏡か何かで観察するような視線はそんな言葉のほかに言い様がないと仰られているのです。」
http://miso-mythology.blogspot.jp/2009/10/1975.html
 

日本人の観察眼の結果が、巨大な性器表現というわけです。
文字ですら、お手本の見写しをしていると一回り大きくなるので、物体を正確にデッサンするよりも緻密さを優先すると書き込みが増えて大きくなってしまうのも無理はないです。

春画はもともと中国の春宮(とうぐう)画が元です。
しかし中国の春画と日本の春画は全然違います。
こちらのサイトに中国、印、韓、日の春画画像がUPされています。
エロ広告がページ下部に出るので「×」で消して下さい。

http://chiquita.blog17.fc2.com/blog-entry-6171.html
中国の春画、女性が纏足はいたままです。

長いページの途中、中国リストの一番最後二つ、纏足靴の内に描かれた春宮図があります。珍しい。
そして、日本の春画を見てから中国の春宮画を見ると、実に物足りなく感じると思います。

あれ、肝心の「春画展の感想がないよ?」
ないですね。タイトルが全てを表わしています。
行くことで半分目的を果たしたのと、行った人の感想があちこちにあるので、春画についてはそちらを見ていただくとして、気になったことは次に書きます。
つづくよ