前半「知の壁」ゾーンは≪こちら≫。
画像が多いのでサムネイル小さめ、展示品の詳細が「工学の曙文庫」総合索引ある場合、リンクしています。
「こんないっぱい読めるかー!」
な方は、キーボードの【END】キーを押して一気にページ下部へジャンプしてください。
いよいよメイン会場「知の森」ゾーン、古代から現代へ知の連鎖がどのようにつながっていくのかを、書物から見ていきます。
そしてこれらがすべて原書だというのがもう、ほんとうに贅沢すぎる。
大阪特別出展の貴重書「占星術」
アルブマサル(アブ・マァシャル)(c.810-886)
1488年初版
右ページ、サソリが二匹いるように見えます。
右上はエビっぽく見えるけど蟹座。モチーフであるギリシア神話のカルキノスがエビっぽい外見のせいか。
伝統的占星術の歴史の長さよ。
レギオモンタヌスという人名に反応しました。
「アルマゲスト(偉大なるプトレマイオス)」
http://www.kanazawa-it.ac.jp/dawn/149601.html
美しい装飾文字と、二色版がきれい。
そしてこの展示、ちゃんと表紙も見れるようになっています。
これは凝った装丁なほう。
大体はマーブリングの紙だけ表紙が多く、タイトルも背表紙に入っていたらいい方でした。
ボエティウス。タイトルはずばり「算術」
見慣れたかけ算が!
http://www.kanazawa-it.ac.jp/dawn/148801.html
なんとなくこの図でわかりますね、コペルニクスの「地動説」です。
ニコラス・コペルニクス (1473-1543)
「天球の回転について」
http://www.kanazawa-it.ac.jp/dawn/154301.html
わたしは未だに物理や自然科学は苦手なんですが、こうやって書物の歴史から入った方が興味を持っただろうなと思います。
理解できるかどうかは別として!!
ガリレオ・ガリレイ (1564-1642)「星界の報告」
タイトルがかっこよすぎる。
そして、この当時の天体望遠鏡の精度が意外と高くて驚きました。
スケッチ能力の高さも。
写真がない時代の方が、“見る力”は高い。
目の悪いわたしはかぶりつきでこの図を見ていました。
眼球の解剖図かと思ったんですよ。
ケプラー「天文学の光学的部分を扱うウィテロへの追加」
タイトルの意味がわからーん!
※ウィテロは物理学者の名前でした
http://www.kanazawa-it.ac.jp/dawn/160401.html
ケプラーは、「ケプラーの法則」を発見した方です。
が、こちらは光学についてまとめられていて、眼球の解剖というより網膜が像を結ぶ仕組みについてです。
望遠鏡の光学理論が確立した書籍。
なお、コンタクトレンズの原理を発見したのは、レオナルド・ダ・ヴィンチだといわれています。
■駅前 北村眼科
http://www.kitamuraganka.com/index.php?catid=21
こちらにある、ガラスの壺に水を張って顔をつけるイラストがその由縁。
これはぱっと見てわかりました、光の三原色だ!
トーマス・ヤング (1773-1829)「色と光の理論について」
http://www.kanazawa-it.ac.jp/dawn/180201.html
カラーイラストは印刷というより、手塗りに見えます。
『アロマオイルの抽出?』
当たらずとも遠からず。
ヒエロニムス・ブルンシュヴィヒ(c.1450-1512)「真正蒸留法」
薬剤製造についての書物で、巻末に貧しい人々のために安価に入手できる薬リストも。
ジァンバッティスタ・デッラ・ポルタ(1535-1615)「蒸留法九書」
ポルタは「ルネサンス最大の魔術師」と呼ばれ、海水から真水の蒸留、発酵させた小麦や大麦からウィスキーの蒸留などいろんな物質の蒸留を考えたそうです。
蒸留器がまた、とっても錬金術っぽいいいいい。
いよいよ身近なアイテム、登場。
左にあるのはカエルのボディです。
ルイジ・ガルヴァーニ (1737ー1798)「筋肉運動による電気の力」
http://www.kanazawa-it.ac.jp/dawn/179101.html
カエルを用いた神経と電気刺激に関する実験。後の電池の発明につながります。
わたしはこの解説を読んでいて、『どんだけぎょうさんカエルが死んだんやろう』と思いました。
鳥を見てこんなこと考えますか!?
オットー・リリエンタール (1848-1896)「飛行術の基礎となる鳥の飛翔」
人類は空を目指します。
http://www.kanazawa-it.ac.jp/dawn/188901.html
見開き左ページにある鳥と空のイラストが目をひきます。
リリエンタールが描いたんだろうか。
空への憧れが込められているような、天に手をかざしたくなるイラストです。
これも有名ですね、レントゲン写真。
ヴィルヘルム・コンラッド・レントゲン (1845-1923)「新種の輻射線について」
科学バリバリの中に、結婚指輪が妙に人間くさく写ります。
http://www.kanazawa-it.ac.jp/dawn/189601.html
冷静な科学者の視点。
合衆国戦略爆撃調査団「広島,長崎に対する原子爆弾の効果」
http://www.kanazawa-it.ac.jp/dawn/194601.html
このほかに日本人著作も展示されています。
湯川博士の「素粒子の相互作用について」など。
「知の森」のネットワークを表したシンボルモニュメントです。
全部で13項目あるのですが、自分の好みが明らかに偏るのがよくわかりましたよ。
金工大の竺覚暁(ちく かくぎょう)教授によるミュージアムトークが期間中の土日にあるのですが、館内ではムービーで見ることができます。
しかし80分もあって!! 時間切れで全部見ることができませんでした。
「知の変容」コーナー、【降り注ぐ文字】
雨のように文字が降っています。
一見、50音あるかな~と思うのですが、「は」「ほ」のようにつながらないひらがなって結構あるんですよ。
だからここに吊られているひらがなは一部。
積もっている文字に「は」「ほ」類があれば、満点だったかな。
「蝶の飛翔」
蝶の飛翔は、生命や知恵によく例えられます。
こういうインスタレーションは、金工大ならではかと思いました。
入り口。展示目録とポストカードがもらえます。
ポストカードの柄は、日によって違いましたよ~
わたしたちの生活が、ほんとうに太古からの想像力と飽くなき探求心の積み重なりだということがよくわかりました。
そしてまだ、解明されていない現象がたくさんあり、過去の理論が覆されることもままある。
自分でもおもしろかったのが、学校の授業で習ったことをちゃんと覚えていたことです。
工芸高校、デ研は勉学にさほど力を入れない機関だから、ほぼ中学レベルの知識。
それでも「あーこれ知ってる」というのがたくさんあり、学校教育はそんなに悪いものでもないと思います。
いまの教育はわたしの時代とはちょっと違うけれど。
学んだことのどこに興味を持ち、掘り下げるのかはあくまで自分。
専門知識がない人にも「あ!」と思わせるような図を提示し、装丁やモニュメントのように視覚的な見せ方の工夫を凝らされていて、「世界を変えた書物」にふさわしい内容、無料で申し訳ないぐらい楽しみました。
画像が多いのでサムネイル小さめ、展示品の詳細が「工学の曙文庫」総合索引ある場合、リンクしています。
「こんないっぱい読めるかー!」
な方は、キーボードの【END】キーを押して一気にページ下部へジャンプしてください。
いよいよメイン会場「知の森」ゾーン、古代から現代へ知の連鎖がどのようにつながっていくのかを、書物から見ていきます。
そしてこれらがすべて原書だというのがもう、ほんとうに贅沢すぎる。
大阪特別出展の貴重書「占星術」
アルブマサル(アブ・マァシャル)(c.810-886)
1488年初版
右ページ、サソリが二匹いるように見えます。
右上はエビっぽく見えるけど蟹座。モチーフであるギリシア神話のカルキノスがエビっぽい外見のせいか。
伝統的占星術の歴史の長さよ。
レギオモンタヌスという人名に反応しました。
「アルマゲスト(偉大なるプトレマイオス)」
http://
美しい装飾文字と、二色版がきれい。
そしてこの展示、ちゃんと表紙も見れるようになっています。
これは凝った装丁なほう。
大体はマーブリングの紙だけ表紙が多く、タイトルも背表紙に入っていたらいい方でした。
ボエティウス。タイトルはずばり「算術」
見慣れたかけ算が!
http://
なんとなくこの図でわかりますね、コペルニクスの「地動説」です。
ニコラス・コペルニクス (1473-1543)
「天球の回転について」
http://
わたしは未だに物理や自然科学は苦手なんですが、こうやって書物の歴史から入った方が興味を持っただろうなと思います。
理解できるかどうかは別として!!
ガリレオ・ガリレイ (1564-1642)「星界の報告」
タイトルがかっこよすぎる。
そして、この当時の天体望遠鏡の精度が意外と高くて驚きました。
スケッチ能力の高さも。
写真がない時代の方が、“見る力”は高い。
目の悪いわたしはかぶりつきでこの図を見ていました。
眼球の解剖図かと思ったんですよ。
ケプラー「天文学の光学的部分を扱うウィテロへの追加」
タイトルの意味がわからーん!
※ウィテロは物理学者の名前でした
http://
ケプラーは、「ケプラーの法則」を発見した方です。
が、こちらは光学についてまとめられていて、眼球の解剖というより網膜が像を結ぶ仕組みについてです。
望遠鏡の光学理論が確立した書籍。
なお、コンタクトレンズの原理を発見したのは、レオナルド・ダ・ヴィンチだといわれています。
■駅前 北村眼科
http://
こちらにある、ガラスの壺に水を張って顔をつけるイラストがその由縁。
これはぱっと見てわかりました、光の三原色だ!
トーマス・ヤング (1773-1829)「色と光の理論について」
http://
カラーイラストは印刷というより、手塗りに見えます。
『アロマオイルの抽出?』
当たらずとも遠からず。
ヒエロニムス・ブルンシュヴィヒ(c.1450-1512)「真正蒸留法」
薬剤製造についての書物で、巻末に貧しい人々のために安価に入手できる薬リストも。
ジァンバッティスタ・デッラ・ポルタ(1535-1615)「蒸留法九書」
ポルタは「ルネサンス最大の魔術師」と呼ばれ、海水から真水の蒸留、発酵させた小麦や大麦からウィスキーの蒸留などいろんな物質の蒸留を考えたそうです。
蒸留器がまた、とっても錬金術っぽいいいいい。
いよいよ身近なアイテム、登場。
左にあるのはカエルのボディです。
ルイジ・ガルヴァーニ (1737ー1798)「筋肉運動による電気の力」
http://
カエルを用いた神経と電気刺激に関する実験。後の電池の発明につながります。
わたしはこの解説を読んでいて、『どんだけぎょうさんカエルが死んだんやろう』と思いました。
鳥を見てこんなこと考えますか!?
オットー・リリエンタール (1848-1896)「飛行術の基礎となる鳥の飛翔」
人類は空を目指します。
http://
見開き左ページにある鳥と空のイラストが目をひきます。
リリエンタールが描いたんだろうか。
空への憧れが込められているような、天に手をかざしたくなるイラストです。
これも有名ですね、レントゲン写真。
ヴィルヘルム・コンラッド・レントゲン (1845-1923)「新種の輻射線について」
科学バリバリの中に、結婚指輪が妙に人間くさく写ります。
http://
冷静な科学者の視点。
合衆国戦略爆撃調査団「広島,長崎に対する原子爆弾の効果」
http://
このほかに日本人著作も展示されています。
湯川博士の「素粒子の相互作用について」など。
「知の森」のネットワークを表したシンボルモニュメントです。
全部で13項目あるのですが、自分の好みが明らかに偏るのがよくわかりましたよ。
金工大の竺覚暁(ちく かくぎょう)教授によるミュージアムトークが期間中の土日にあるのですが、館内ではムービーで見ることができます。
しかし80分もあって!! 時間切れで全部見ることができませんでした。
「知の変容」コーナー、【降り注ぐ文字】
雨のように文字が降っています。
一見、50音あるかな~と思うのですが、「は」「ほ」のようにつながらないひらがなって結構あるんですよ。
だからここに吊られているひらがなは一部。
積もっている文字に「は」「ほ」類があれば、満点だったかな。
「蝶の飛翔」
蝶の飛翔は、生命や知恵によく例えられます。
こういうインスタレーションは、金工大ならではかと思いました。
入り口。展示目録とポストカードがもらえます。
ポストカードの柄は、日によって違いましたよ~
わたしたちの生活が、ほんとうに太古からの想像力と飽くなき探求心の積み重なりだということがよくわかりました。
そしてまだ、解明されていない現象がたくさんあり、過去の理論が覆されることもままある。
自分でもおもしろかったのが、学校の授業で習ったことをちゃんと覚えていたことです。
工芸高校、デ研は勉学にさほど力を入れない機関だから、ほぼ中学レベルの知識。
それでも「あーこれ知ってる」というのがたくさんあり、学校教育はそんなに悪いものでもないと思います。
いまの教育はわたしの時代とはちょっと違うけれど。
学んだことのどこに興味を持ち、掘り下げるのかはあくまで自分。
専門知識がない人にも「あ!」と思わせるような図を提示し、装丁やモニュメントのように視覚的な見せ方の工夫を凝らされていて、「世界を変えた書物」にふさわしい内容、無料で申し訳ないぐらい楽しみました。