12日のグノシーに配信されていたのが、「言の葉の庭」へのリンク。
全然知らないタイトルだなーなんだろこれと訝しみつつ、サムネイルが美しかったのでクリックしてみたら、これが大当たりだったのです。

●「愛」は輸入された概念


「言の葉の庭」
http://gyao.yahoo.co.jp/p/00085/v06504/
GYAO! で無料配信中。 (配信終わったのでリンク外しています)
初回配信:10/9(金)~10/15(木)
2回目配信:10/30(金)~11/5(木)

46分なので、とっつきやすいですよ。
最初、シークバーを見たとき
『46分って、“ラストは有料★”じゃあるまいな!?』
と疑ったけど、ちゃんと完結します。
「言の葉の庭」
キービジュアル美しいなあ…

監督 新海誠氏のサイトより、
「そして、「恋」は「孤悲」と書いた。
孤独に悲しい。
七百年代の万葉人たち───遠い我々の祖先───が、恋という現象に何を見ていたかがよく分かる。
ちなみに「恋愛」は近代になってから西洋から輸入された概念であるというのは有名な話だ。
かつて日本には恋愛はなく、ただ恋があるだけだった。」

そうなのよ!! 愛なんて近代に輸入された概念なのよ!!
日本にあったのは、恋と情けだ。と、どこかで読みました。

●光と水


梅雨の季節から始まるこの作品、雨の描写と光の表現がとてつもなく美しいです。
以前、雨音BGMが好きだと日記に書いているほど、

http://nuinui358.dreamlog.jp/archives/41222405.html
雨好き梅雨好きです。
「八重の桜」の感想では、照明にやたらこだわっていました。

一目で惹かれたサムネイルの美しさは、梅雨の表現です。
反射光が素晴らしい。
反射光は、周りの光が人物に映り込む現象で、身近な例だとこういうブルーのニットを着たとき、
エクストラファインメリノVネックカーディガン
http://www.uniqlo.com/jp/store/goods/151946-17

口元や顎のラインにブルーが反射します。
(この画像は照明を使っているので、映り込みしていませんよ)
女性の場合バスト高もあり、余計に映り込むかな。

日常的にさほど意識していませんが、光ある限り反射光の影響はとてもあります。
アニメで背景とキャラクターがぱっきり別れる紙芝居状態に見えるのは、この映り込みがないからです。

キャラクターのフチに反射光を入れるには、背景と光源を綿密に計算しないといけなくて、作業自体は難しくなくても動画にするのは相当大変なはず。
すごいなこれ、メイキングみたいなと思ったら、監督が解説してくれていました。

■解説:「言の葉の庭」におけるセルの塗り分け表現(Other voices -遠い声-)
http://shinkaimakoto.jp/archives/548


それと、雨の表現のリアルさ。
アニメーションでも映画でも、雲、水、火の表現をみると予算がわかります。
この作品の雨の表現は、音響も色彩もピカイチ。
どうやってんの!?

■解説:「言の葉の庭」における雨の表現について
http://shinkaimakoto.jp/archives/580

「とはいえ、本作での雨表現はおそらく他の多くの国産2Dアニメーションとほぼ同じソフトウェア、同じ手法でなされています。Adobe After EffectsとTrapcode Particularの組み合わせです。」
まじで!?  After Effects でこんなことできるんだ。
PSでFF7が出たとき、PSの性能をこれまでのソフトが出し切れていなかったんだと驚いたことを思い出します。
FF8でも、あのOP動画に他メーカー開発陣が愕然としていました。
ツールはあくまでツールで、どう使いこなすのか。

●ネタバレなしの見所


とまあ、オタクっぽい技術の話はこの辺にしまして、映画の主人公は、靴職人を志す高校生のタカオです。

あらすじも読まずにいきなり動画を再生したため、タカオが靴のスケッチをしていたとき、うお、グノシーすごいと思いました。
靴のデザイン画、製造過程も見所ですが、タカオ自身が履いているモカシンは彼が作った靴です。
よくアップで映るので注目。

わたし的涙腺決壊ポイントは33分過ぎたあたりから。
この辺からイヤホン・ヘッドホンで聴くと、よりよいです。
そして、エンドクレジットは最後まで見よう。
最後までみるとそのまままた最初から再生が始まるので、見続けて下さい。

Amazonで配信されています。
見終わってからの見所や関連記事は、別にまとめています。<こちら