述の「足指をまげるだけで腰痛は治る!」(感想はこちらに)を、電車のシートに座りながら読んでいました。
太ももにバーンと本を広げていたのですが、隣のマダムの視線を感じます。
なにか気になることがあるのかなーと思いながらも、ふむふむと本の画像を子細に眺めていたとき、

「わたしの足の裏も、そんな風に腫れているのでしょうか??」

声をかけられたんです。
そのときわたしが開いていたページは、ここです。
「足指をまげるだけで腰痛は治る!」
P14 あしゆびをグーパーする
足裏が腫れている写真は…ない…
「足指をまげるだけで腰痛は治る!」
もしかしてこれ?? 【2】の方ね。
わたしには「血色のいい足裏」に見えますが、マダムには「足裏が赤く腫れている」と見えるようです。

足の裏が痛い理由


「足裏を見る方法があればいいんですけどねえ」 
と思案顔。

足裏が腫れているかもと仰るには、どこか痛いところがあるのでしょうか。
足元を拝見してみると、高齢の方には珍しく、ファスナーのないちゃんとした紐靴です。
しかも、きちんと紐を締めていらっしゃる。
さらに、お手元の杖なのですがシティ用の杖ではなく、アウトドア用のトレッキングポールで、T型というタイプ。
ただ者ではない。
トラブルのなさそうな、ちゃんとした足元をされていらっしゃいますよ。

マダム、80代。
ちょっと前まで一日1万5000歩歩いていたけれど、いまは1万歩なの。
山にも登ります。
すごいじゃないですか、わたしよりもよっぽど歩かれていますよ。

履かれている靴は、アシックス。
アシックスは別段靴自体悪くはないです。
なんとその靴を、10足以上これまで継続買いしているという。

マダムが口にされた価格やデザインから推測したところ、おそらくこれです。
PLUSCOMFORT742(W)

アシックスの直営店でずっと購入し、中敷きも作ってもらっているけれど、その中敷きを入れると足が痛いそうです。

わたしはアシックスの中敷きは未経験。
ですが、中敷きを入れない方が痛くないのであれば、その中敷きがお体に合っていない可能性が大きいから、入れない方がいいのでは。
または、お店の方に「痛いんですが」と伝え、作り直してもらう。

それと、10足以上も購入しているのであれば、単純計算で10年以上のおつきあいってことです。
10年前と違い、いまはもっといろんなシューズが出ています。
行き先を窺い、こういったお店もありますよと専門店をお伝えしました。

マダムには「そういったお仕事をされているんですか?」と聞かれちゃって、おおう、返答に困るぜ…
靴を作るでも売るでもない人間だから、こういうときどうお答えたらよいのか。
マダム、とても上品な方で靴の履き方もよかったから、お店まで同行したかったなあ。

インソールが原因?


帰宅してからアシックスの中敷きがどういう工程で作られるのか、ちょっと調べてみました。 
3Dフィッティングインソール
http://www.asics.co.jp/walking/store-insole
「計測データに従って、足の形(形態)ごとにパーツをセット。
足の各部位を支え、足底アーチを補正することで、足への負担を軽減し、足元の環境をサポートします。」

あーなるほど、パーツをぺたぺた盛っていくやり方ですね。
ある種、足の専門知識がなくても一定のマニュアルがあれば作れる中敷きです。
その方の歩き癖や体全体を見て作られているのか、ちょっと疑問。

で、こちらはもう営業されていないお店のブログなので、引用させて頂きます。
姫路アルプの過去記事にその中敷きを見ることができます。

・なに??これ?インソール?
http://ameblo.jp/himeji-alp/entry-10510906107.html

シダスのインソールと比較されていますが、インソールって作り方も考え方もたくさんあり、それぞれが「こう」と思うものをやっています。
「こう」のレベル値をどこにするのかも違ってくるので、一概にアシックス中敷きが悪いとは言い切れないです。
合う人には合いますし。
端的な話、合いさえすれば段ボールで作る人もいるんですよ。

・小学生でもできる足底板の作り方
http://ameblo.jp/tana-n-ka-n/entry-11717074062.html

ネットはどうしても大手のやる“悪い例”が挙がりやすく、申し訳ないなと思うのですが、計測データとフットプリントのみで作る中敷きは、アタリの人とはずれの人の差が大きいです。
フットプリントは隠れ扁平足を見抜けないため、正確なヒアリングをせずに扁平足対策中敷きを作っちゃうと、正反対の影響を与えてしまう。
マダムのお足がどんな状態なのかまでわかりませんが、中敷きを入れた方が痛いというのは、こういうことじゃないかと推測したんです。

しかし、よくよく振り返ってみました。
マダムは最初「わたしの足の裏も、そんな風に腫れているのでしょうか?」と仰ったんです。
真っ先に中敷きを疑いましたが、マダムはもしかして

「自分の足裏が腫れているから、中敷きを入れると痛い」

と思われている!?
だとしたら、お店の人に中敷き入れたら痛いって言わないかも。
むしろ、せっかく作ってもらったのに「自分の足が悪いから痛くてすみません」という意識かも。

靴の接客は、単なる販売ではないです。
カウンセリング能力がものすごく求められるなと思った一件でした。
電車内でのほんの10分程度のやりとり。
わたしの妄想、膨らましすぎですかね。