の続きです。

靴ひもは買ったときについてくるものがベストではない

ライブラリー靴ひも03
お子さん用の靴、左右どこが違うかわかりますか??

ライブラリー靴ひも04
ひもの通し方も違いますが、大きなポイントはここんとこです。

向かって左側の靴ひもは、真ん中でちょん切って短くしてからまた結びなおしています。
右側を見るとわかりますが、こども靴にしてはひもが長すぎなんです。

わたしたちは靴売り場にある靴のひもの長さと通し方は、その靴に対してベストのものだと思っています。
理想はそうですが、現状はこうです。
靴の種類が増えるとサイズ展開分一気にアイテムが増えます。
靴の種類というのは、ひもの穴の数が4つ5つ6つと違ってくるとひもの長さも当然変わってくるのに、製造側からいうといちいちそんなの対応しません。
じゃあどうなるかというと、短いのは絶対ダメだから、大は小を兼ねるで長いものをつけるわけです。

そしてひもを通すのは誰かというと、売り場の方です。
試着したとき、箱から出された靴にひもが通っていなかった場面、遭遇した方いると思います。
靴って、ひもが通されて納品されるんじゃないんです。

購入された方のひもが短い、固い、ほどけるといった声に対応してきた大木さんのご経験が、この大量の靴ひもと、結び方がわかりやすいように工夫された両端の色が違う靴ひもなのです。
ライブラリー靴ひも02
どっちゃり
一本のひもなのに途中で色が変わるようにして通し方と結び方がわかりやすくなっている靴、撮り逃しました。

靴ひもって靴を履く上での最終ロックポイントなのに、意外と雑な扱いされています。
あと大木さんのお話でおもしろかったのは、長ければ切ったらよいですよと提案したところ、なんか不吉な感じがして抵抗が…という反応があったそうです。
足元の話って薄暗い!
わたしはこれ、鼻緒が切れるのを連想するからかなと思いました。

いろんな結び方

ライブラリー靴ひも05
写真がぼけちゃいましたが、加賀の工芸品のような結び方!!
ほどいたら二度と再現できる気がしません…
ライブラリー靴ひも06
資料の一部。
配付された資料は、これまでのものも含めてライブラリーカフェの大木さんコーナーにまとめられ、閲覧できるようになっていますよ。

資料の中に、たて結びと本結びの耐荷重がありました。
ためしてガッテンで実験していたそうです。
たて結びは30kgでほどけ、本結びは64kgまで耐えた。
約二倍も差がある。
てことは、たて結びの靴ひもの方がほどけやすい。

たて結びは外国人の方に多いそうです。
へ~と思っていたら、翌日地下鉄内で向かいの方のスニーカーがまさにたて結び。
おっさっそくv と顔を上げてみると、チャイニーズトラベラーでした。
これは意外、てっきり欧米人かと思いきや、アジア系でもたて結びが。

ついでにチャイニーズトラベラーとコリアンの違いは、靴にも出ています。
チャイニーズはスニーカー系、コリアンはわかりやすいブランドもの(今の時期だとUGGのモカシンを素足履き)かつ男女お揃いなんです。
服ならともかく靴まで男女お揃いはすごい。

靴ひもがほどけるネタ、2月にも書いているのでご参考に。
靴ひもがほどける瞬間の貴重な映像です@デイリーポータルZに共感しまくり


結び方は生きる知恵

本があっても動画があっても、なかなか実践できないのが、結び方を変えることです。
なぜなら子供の頃からの手癖で動いているからです。
これを変えるには、今回のように「できている人」の動きをよく見ることと、その場ですぐおさらいすること。
ひとりではなく、何人かでやること。
わたしは結び方を変えたいという明確な目的を持って参加したので、すごく身になりました。
ありがとうございます! がんばります (`・ω・´)

あと、いまのお子さんは面ファスナー(ベルクロ)の靴に甘えすぎて、ひもが結べないという、参加者の方の声が深刻に感じました。
ひもを結ぶ機会って、こどもの間は意外とないです。
でもうまくできないからとずっと面ファスナーばかり使わさせていたら、おとなサイズのひも靴に対応できず、ゆるい履き方をすることに。
ほんとにお子さんのことを考えるのであれば、楽に履かせることよりも、意識的にひもを結ぶことをさせる必要があります。

今回のお話しの間、手元を全く見ないで靴ひもを通す大木さんのホスピタリティと凜とした姿勢に、瞠目しました。魔法ですか。
まちライブラリーでのイベントは、いろんなジャンルの方のお話が聞ける、貴重な場。
とても楽しくて勉強になります。
いつもありがとうございます。

続きに、靴ひもの話ではないですが大木さんの靴べらマジックについてです。
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