っていただいた30年前のダイアナのハイヒール、その箱の情報は別のパンプスの情報なのですが、いまと違っていておもしろいので、わけて書きます。
ダイアナ
このダイアナのハイヒールについては、前回の日記です。

外箱の情報

ダイアナ外箱
わたしはダイアナの靴を買ったことがないので、いまの箱を持っている方は見比べてみて欲しい。
情報量が多いです。
いまの靴の外箱は、靴の外観まで記載されているケースが減っています。

お値段
ここにお値段が記載されています。 11,800円。

むかしは外箱に価格入れていたんですね!
これ、セールで買ったとき地味に嬉しい。
セールの値札は正価格がわからなくなっていることが多いんだもん。
わたしは靴の外箱を処分せずに置いていますが、お値段が入った箱を見たことはありません。

ウィズ
注目したのはこの【B】の欄です。

ここ、ボールガース(Ball Girth)のB、ざっくりいうと足囲ウィズのことだと思います。
ウィズがD/C… 
まさかC~Dっていう意味じゃないでしょう。
もしかしてこのパンプス、コンビネーションラストだったのかも。

コンビネーションラストとは、前足部と後足部でウィズが異なる木型のことです。
たいてい踵の方が小さい表記になる。
この場合、ウィズがDなら、かかとはCという意味。

コンビネーションラストの貴重な資料として、ニューヨークのシュー・メイカー、J.S.Cowardの1910年代のカタログ画像がこちらにあります。
http://dyshoes.fc2web.com/coward.htm
「8Dの靴のインステップガースとヒールガースはBウィズになっていると書かれておりますね。」

インステップガースとヒールガースという用語がどこを指すのかは、こちらの解説を。
http://shoefitter.seesaa.net/article/419266277.html

コンビネーションラストの表記をされた靴はめったにお目にかかれません。
そもそも既製靴にウィズの記載がないし、レディースだとなおさら。
メンズの古靴マニアの方がいくつか画像をUPしているぐらいです。
わたしもこれは外箱の情報を推測しているだけで、実物はない。

いまのダイアナの外箱情報はわかりませんが、20~30年前のこの当時、店員さんはウィズの知識を持って接客されていたんじゃないでしょうか。

いま必要な木型

昨年そごう横浜店のオリジナル、ハイブリッドパンプスを見たとき(この日記に画像あります)にも感じたのですが、いまの日本人の足に必要な木型ってコンビネーションラストだと思う。

わたしが履いているJoya、これはローリングするため踵がぐっと絞られています。
ウィズはわたしの甲の薄さ・幅に対してゆとりがあります。
ヒモを締めるとアッパーに普通にしわが入りますから。 (しわの入っている画像はこちら
それでもかかとが緩いニューバランスと違い、靴下が傷みません。
踵が安定しているからだと思う。
ウィズに対し明らかに踵が細い、コンビネーションラストだと思われる一足です。

いまの日本人向けの木型として必要なのは、コンビネーションラストじゃないでしょうか。
もちろんウィズが合うに越したことはありませんが、ちょっとゆとりがあっても踵が締まっていたら履けるってことは、コンビラストの方が多数向けの木型ということです。
明記していないだけで、いまの既製靴にしれっとコンビラストはあると思います。
でもそれを理解した上で接客している人が、売り場にどれほどいるのか。

ダイアナの外箱情報はそもそもコンビラストであるという確証もないけれど、推測を繰り広げてみました。
こういうことを日々考えるのが楽しい。

----------
匿名でメッセージを送れる「マシュマロ」を設置しました。
返信なしのお気軽ツールです。
「マシュマロってなに?」という方→解説はこちら