つものように図書館の書架をぶらついていて、思わず手に取った本です。
いいサブタイトルだ。
これは誰でも「お? どれどれ」となるでしょう。
「のうだま2」となっているので、内容が関連していたらアレだなーと並んでいた「のうだま1」も借りましたが、特に必要なかったです。
「2」だけで十分でした。


加齢とともに記憶力が衰えるイメージは、誰でも持っていると思います。
「アレアレアレ、ほらアレ」
「なんだっけ、アレー!」
周りで繰り広げられるこのやりとり、若いときにはなかった気がする。

そして
「それ、忘れっぱなしにしてたらどんどん忘れるで!」
「がんばって思い出さんとあかんで!」
という一連の流れ。 あるあるある。

●マンガの国に生まれてよかった


のうだま2-01
脳研究者の先生とトメさんのコミックで、具体例と科学の両面から、記憶力についてわたしたちのもつ「思い込み」を解いてくれます。
のうだま2-02
悪い思い込みの影響。
あるある。
記憶力に限らず、いろんな思い込みの中でわたしたちは生きています。
のうだま2-03
こどもの頃とは情報をしまえる収納力が違うから、比較にはならない。
のうだま2-04
年をとったら記憶力が衰えるというイメージは、アルツハイマー症の画像で脳がスカスカになっていくインパクトから来ている気がする。
のうだま2-05
成長とともに記憶する分野が変わってくる。
こどものときにできた勉強法が、大人になって同じことをやっても身につかないのは、そういうこと。

記憶力の衰えは自分自身の態度から来ている、つまりマンネリ化によるものだと一刀両断。
興味の印であるシータ波を出して、記憶力をアップし、マンネリ化しないように好奇心を持つことが大事。

●ポイントはシータ波


いちばんおもしろかったのは、シータ波がどういう状況で出るのか、
実は【歩く】ことです。
 
厳密にいうと、「場所を移動するとき」なんです。

自分の足で移動することが効果的だけど、乗り物に乗って移動しているときにもシータ波が出ている。
移動しているという事実を脳が感知すれば、海馬がシータ波をだす。

これ、すごく納得できます。
わたしは日記のネタなど日々頭の中にもっさり詰め込んでいますが、何かしらひらめくのは入浴中、寝る前布団の中と、駅に向かっているとき、そして電車で移動しているときなんです。
『あわわわ、いまの大事!』
と手帳にメモメモ。

揺れているのでお見せできる字ではないんですが、そういう切れ端が手帳のあちこちにあります。
街に出ることで感覚が刺激されるんかなと思っていたのですが(寝るときはどやねん)、こういうことやったんかと合点がいきました。
なぜ移動で海馬が反応するのかも、ちゃんと解説されていますよ。

他にも一夜漬けとこつこつ勉強の効果の違い、睡眠の関係などすごくおもしろくて、何度も読み返しました。
父に貸したら、
「あっという間に読めた。おもしろかった」
年上のお友達からも
「読みやすくてこの先勇気が湧くし、楽しめたわ」
という感想です。
こういう本を病院や薬局の待合に置いたらいいのに。

「最近年のせいか、もの忘れが」
という言葉がちらつくならば、お薦めの一冊です。


ガヤ先生の締めの言葉は
「好奇心があれば、年齢とともに記憶力が衰えることはないんです」
「失うなかれ! 好奇心!!」

のうだま(2) [ 上大岡トメ ]

価格:1,296円




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