路の歴史紀行は、いつものお友達とです。
一緒に行ったこれまでの日記は、2011年12月の赤穂今年4月の姫路とあります。
今回は、姫路文学館で開催されている特別展「官兵衛と軍師を描いた文豪たち」展に行ってきました。

友達には2011年5月に初めてこの文学館に連れて行ってもらったんですよ。
当時官兵衛の大河ドラマの署名運動があり、
「う〜ん、地元民の気持ちはわかるけれど、一年間やるネタがないから大河は無理でしょ」
なんて言ってたのに、まさか大河になるとはね。
そして、当時の文学館日記がないのは、この直後菊池病で高熱が続いたからです。
友達に「見てー、左の首筋が腫れてるの」とのんきにネタにしていたのが懐かしい。

姫路文学館001
「官兵衛と軍師を描いた文豪たち」ってつくづくマニアックな着眼点だと思います。

さっさと入り口に向かわずに、まずは館内の喫茶店に行きました。
お腹空いてたので、ランチランチ!!
事前に館内に喫茶があることは調べていたので、
・CAFE Chambre(シャンブル)
http://www.city.himeji.lg.jp/bungaku/cafe/chambre.html
特製チーズケーキを楽しみにしていたのです。

あ、その前に、喫茶の入り口の横手に階段があり、展望テラスに上がれます。
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姫路城、クレーンが時々動いています
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ズーム
やっぱ白いお城は綺麗ですね〜

あっついあっついとテラスから退散し、喫茶へ。
しかしメニューには、チーズケーキがなくパウンドケーキになっています。
ありー??
外国人のお客さんとコーヒーについてやりとりをしているのが見えたので、普段紅茶党ですがサンドイッチセットにはブレンドコーヒーをオーダーしてみました。
自家焙煎のこだわりのコーヒーというだけあり、おいしかったです!!
わたしはコーヒーを飲んだあとの口の中に残る味が嫌いなのですが、そういった嫌な後味は一切無く、すっごく飲みやすい。
ブレンド用のミルクも、その辺のポーションとは全然違う。
これは、コーヒー嫌いの人にもお薦めです。
すごく満足して、いざ展覧室へとお店を出かけた時、すれ違いになったおじさんが厨房に入っていくのが見えました。
事前にブログで調べていた「こだわりのおじさん」は、あの方かな??

今回の展示は北館2階の第1会場と、南館1階の第2会場に別れています。
第1会場からスタート。
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チラシと敷地内のご案内。
ここでは画像右下にある“しおり”をもらえます。
スタッフの方の手づくりっぽいのですが、開いてみると
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 武将の名言集になっている。
わたしがひいたのは藤堂高虎、家紋がちゃんと蔦紋です。
『手拭いを巻いてる人か…(戦国無双ネタ)』
なんて思っていたら、友達は竹中半兵衛で、大河でわたしはお気に入りキャラだったからジェラシー。

<第1会場>
吉川英治「三国志」と池波正太郎「真田太平記」、川本喜八郎製作「三国志」の人形に時代小説の挿絵で有名な風間完のオリジナル挿画といった、マニアックすぎる展示です。
姫路文学館すごいとびっくりしたのは、各小説の直筆原稿に対して、実際に掲載された当時の週刊誌(文春とか)や新聞の実物が並列していることです。
展示されている雑誌や書籍は姫路文学館所蔵のものが大半で、国会図書館みたい。
むかしの雑誌のフォント、ちっちゃい! 目が潰れそうだわ。

挿絵にどんな人物をどのように描くかも、ちゃんと作者さんがそれ専用に描写している原稿用紙がありました。
へー!! こんな仕組みなんですね。
編集者と挿絵師が決めるんじゃないんだ。

そして、この第1会場、めっちゃ上田市推しています。
大河効果? なのか、池波正太郎の「真田太平記」コーナーはパネル展示も豊富で、所蔵元の「池波正太郎真田太平記館」に実際に行っているわたしは、にやけました。
こういった展示物の所蔵元を直接見ているのって、なかなかないんだもん。

あと、軍師の分類解説が面白かった。
政治的な根回しをする官僚的軍師、地勢や卜占を見る中国大陸的軍師、実戦場に立つ軍師など、具体例を挙げて説明があります。
同じくドラマに出ている毛利方の僧、安国寺恵瓊は外交(というか調略)面での軍師かな。
わたしは、軍略はある程度教科書がありますが、外交は個人のセンスによるのが大きいので、外交ができる人ってはなっから敵わないと頭を垂れますわ。

<第2会場>
こちらの受付では団扇をもらいました。
地味に手土産の続く文学館。
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姫路市の耐震化推進キャラクター ジョー★ヒメジ
地元民でもないのに、バリバリローカルな団扇をもらってしまった。
しかもわたし、団扇使わない人なのに。

第2会場は風間完によるしばりょの挿絵原画展示がメインです。
もともと南館は〈司馬遼太郎記念室〉があるので、こっちの展示はしばりょもの。
わたしは何度も書いていますが、しばしょ作品と気が合わず実に無念。
そしたら友達に
「塩野七生も合わないことない?」
!!
あー!! そうだ!!
わたし、新潮文庫の三部作はおもしろかったのに、『ローマ人の物語』はさっぱり読み進めることができませんでした。
歴史書とは合わないのかなあ…

ともあれ、通しで展示を見た感想は、官兵衛ものとしていくと物足りなさを感じるけれど、歴史や歴史小説好きな人ならこういうまとめ方って珍しいので楽しめると思います。
わたしは手書きの生原稿とか、メイキングを見るのが大好きなので、思いのほか楽しめました。
そして友達も書いている耶律 楚材、わたしも気になった。
http://ameblo.jp/you-me-tsumugi/entry-11896322456.html

<望景亭(ぼうけいてい)・応接室>
文学館の附属施設として、旧濱本家住宅が望景亭という施設名で公開されています。
大正期に建てられた日本建築で、40畳の和室があります。

この時は入場無料の写真展「黒田官兵衛ゆかりの地をめぐる  第3期」を応接間でやっているので、入ってみました。
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黒田家の藤巴紋はともかく、島津十文字みたいな紋が気になる。
純和風建築の入り口ですが、応接間を洋風に改装して、
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ずらっと官兵衛に因んだ写真が展示されています。
ドラマの進行に合わせた展示内容なので、ドラマを見ていると理解度がぐっと深まります。
こういう展示の仕方、おもしろいですね。
大河ドラマ化が決まると、各部署がいっせいにこういう企画をして準備を始めるのでしょうね。
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邸内にある計8面の板戸絵。片面撮影のみ。
色鮮やか、これレプリカではなく実物です。
一面の扉状の板戸と、半分引き戸になっている板戸があります。
廊下をこうやって仕切る意図は、審美的な要素と、寒気避け?
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お茶室の障子の引き手にご注目。 たぶん鶴です。
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反対から見ると、琵琶かな。
とっても美しい造形!!
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和室のふすまの引き手は、陶器。
確かに傷まないけれど、手がかかっています。
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茶室からの眺め。開放的、寝転がりたい。
お庭を撮影している観光客が何人かいました。
ウンウン、そのデジイチだと撮影しがいあるよね〜
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お庭の鯉を撮影しようとしたら、わたしの気配でめっちゃ水面に集まってバシャバシャ賑やかに。
おおお、すまない、エサは持っていないのだよ…

二人の貸し切り状態で邸内を楽しみまくり、応接間のソファでしばらく歴史ネタをあーだこーだと語りました。
邸内はクーラー設備がなく暑いので、さっきもらったジョー★ヒメジの団扇が大活躍。ありがとうジョー★ヒメジ。

望景亭、身長170のわたしだと鴨居に頭ぶつけそうなスケール感ですが、日本建築と板戸絵に細部の造りが保存状態も良くて間近で楽しめる良スポットです。
文学館に来られた際は、お立ち寄りを。

姫路文学館 特別展「官兵衛と軍師を描いた文豪たち」展
会期  平成26年7月5日(土)〜8月24日(日)まで。

続きに、このあと暑くて「お茶しよう!」とまた先ほどの喫茶に戻った話です。