大木塾の帰り、大木さんのご用事にくっついて南船場にある「モネ・テラモト」へ行ってきました。
こちらのお店はずっと前から知っていたのですが、さすがに敷居が高くて入ったことはありません。
というか、ここに行ったらもう終わりというかあとがないというか、そんな『最後の砦』感と『わたしはここでお世話になるほどじゃないだろう』という自分に不釣り合いな感覚があったので、今回はラッキーとばかりいそいそお伴させてもらったのです。
●マスターシューフィッターのお店
シューフィッターには三つのグレードがあります。
以下の人数は、2014年時のもの。
http://fha.gr.jp/search
■プライマリー(初級)…2760件中2421件該当。
百貨店や全国区専門店の販売員にすごく多い。
個人でとるには、足型(50人分)の提出がネックだからでしょう。
■バチェラー(上級)…2760件中324件該当。
数がぐっと減るのは、受講料26万という高額なのも影響かと。
経験上、バチェラークラスでないとフィッティング技術が足りないと感じます。
資格なしでもフィッティングがうまい方はもちろんおられますので、目安として。
■マスター(修士)…2760件中11件該当。
一向に増えも減りもしないと思っていたら、現在受講が開催されていないんですね。
県に一人もいない、稀少資格です。
大阪府にはたった一人、寺本雅映(てらもとまさてる)さんのみ。
そんな寺本さんがされているのが、「モネ・テラモト」です。
お店に行ってみると、店舗の隣に「フィン・コンフォート」専門店ができています。拡張されている!
今年の2月にオープンした「フィン・コンフォート」ブランド専門店、日本でここだけです。
フィンの靴ってカウンターがないふにゃふにゃなところが苦手だし、ガチガチのフットベッドも合わない。
形もカラーも好みじゃなくてスルーしていました。
が、あんなにたくさんの種類を見たのは初めてです。
特にトングが調節できるサンダルは初めて見ました。
プーケットの2008年のゴールドなら、好みだった。
http://毎年形やカラーが変わっているみたい。

フィンコンフォート 送料無料 フィンコンフォート finn comfort PHUKET-S プーケット
夏でもソックス派なのでサンダル履きませんが、こんなサンダル作れるんだとまじまじ見ていました。
店主の寺本さんは、とても体格のよい方でした。
スラックスとシャツスタイル、パンツのラインがぴしっときれい。
歩き方も、さすがウォーキング指導されるだけあってものすごい安定されています。
全然違う体型ですが、なんだかお相撲さん的などっしりした迫力がありました。
●オリジナルシューズも
お隣にあるのがもともとの店舗でこちらはパンプスやオリジナルのウォーキングシューズ、インポートもたくさんあります。
店内めっちゃ美しいです。
ヨーロッパのお店みたい。
ヨーロッパのちゃんとした靴屋さん、行ったことないけれど。
そして、棚の一列にビシーッと並べられたティエリーラボタンの種類の豊富なこと!!
うめだ阪急のフタバヤ以外で、初めてラボタンに遭遇しました。
あしに合わなかったのが残念。
「ティエリーラボタンをご存知だなんて、靴に詳しいですね」
歩く辞書なので、ブランドはロゴと字面でよく覚えているのです。
今期のラボタンはカウンターがないタイプを仕入れたけれど、いつもはカウンター入りのを作ってもらっているそうです。
寺本さんは、インポートブランドや国内ブランドと企画してオリジナルの靴を作られています。
上がってきた試作品に対し、ここはこうして欲しいという改善点をつけてやりとりを2年ぐらい重ね、それでやっと店頭に置けるシューズが出来上がる。
ご自分の中で「こういう靴を作る」という明確なビジョンがあるから、メーカーに試作品の改良をどんどん返せるのですが、これができる人はそうそういないと思います。
●靴はよくても楽しくない
ウォーキング用の靴を合わせてくださいました。
甲に靴紐が当たって痛いというと、通し方をすっすと変えてすぐに痛くなくなりました。おお〜
「靴のフィッティングは、こういうちょっとしたことの積み重ねなんです」
履かせてもらった靴は、インソールもアウトソールも固くて、板を履いているみたい。
本来はインソール部分にもっと調整をされます。
これが!! 歩いてみると
「カタン」
「カタン」
「カタン」
「カタン」
という足音がするのです。
え、なにわたしの歩き方でこんな音がしたの初めてなんですけど。
後ろ重心だから?
まず、歩く時わたしの腕が振れていないので、腕を振るだけで足が勝手に運んでくれるから、腕を振りましょう。
のっしのっし
まだカタンカタンいいます。
足運びがペタペタしているらしい。
寺本さんがいうような動きが全然出来ない。
よくわからない。
壁際に立って、隙間が空いている腰をぐっと壁に当て、この状態で歩くというのです。
お腹を引っ込めないといけなくて、下っ腹にめっちゃ力を入れないとこんな姿勢とれません。
でもウォーキングはそういうもんだそうで。
あと、顎は指三本分の長さだと言われ当ててみましたが、ぐえっと喉に食い込みました。
わたしが履いている靴のインソールについて、ここをこうした方がもっと良くなるとか、ダメ出し姿勢じゃないのがよかったのですが、話をしていくうちに、
「そうなると、もうこちらのお店以外では靴を買えなくなりませんか?」
「靴を買うというのは、本来そういうことです」にこ
あ、そうだ、たしかにそうです。
勉強会でもそういう帰着点でした。
知り合いにも、こちらでしか靴が買えないという人がいます。
あしにいい靴をきちんと合わせることができる確かなフィッティング技術とオリジナルシューズ、このご時世に店舗拡張できるのも納得です。
ですが、置いている靴とあまりにも気が合わないのって、辛いです。
この崖っぷちの追い詰められた感じは、楽しいお買い物とは対極です。
●靴の限界
引き続き、ある程度ヒールのある靴の方がいいでしょうとヒールサンダルも履かせてもらいました。
ベルトが全部調節できる、Viel Huld(フィールフルト)のものです。

Viel Huld フィールフルト レディース サンダル 6008 23.0cm-23.5cm
ベルト調節できるタイプってたしかにあしにばっちりフィットするし、ヒールを感じさせない安定感で楽なのですが、素足だとなんか甲周りが痛そうで。
そもそもわたしは素足で靴を履くのが好きじゃないから、35,640円支払うのなら、靴下履けるショートブーツかブーティータイプにします。
今回はざっくりした靴合わせとウォーキング、わたしが履いている靴、JoyaとMTBのあれこれなど、さすがドイツの現地に何度も行かれているだけあるというお話をたくさん聞かせて頂き楽しかったです。
でも、どこかに力を入れるウォーキングは、わたしにはできません。
整体や靴屋さんで言われること、自分でも散々歩き方について学んできてはいますが、理論では知っていても実際に全然できない。
やれと言われて出来るもんなら苦労しません(;△;)
それで、ロルフィングを試すことを決めていたので、この日は買い物をせずにお礼を申し上げてお店をあとにしました。
ところがですね、お店から駅に向かって歩いている途中から、もう下半身に違和感バリバリでした。
これまで何ともなかった靴のソールがすごく薄っぺらく感じる!
固いソールの靴を試着してちょっと過ごしていただけなのに、すごい違和感です。
大木さんに「変な感じがしますー!」とぴいぴい連呼。
あと、膝とかあちこちが心許なく、思わずお店にUターンしたくなりました。
が、靴に関してはまずロルフィングをしてからと決めたでしょ、と心を鬼にしましたが、ほんとに靴は人から買うものだなと思います。
そして、あしにいい靴の限界を見ました。
おそらく、お店で見させてもらった以上の靴は、そうそう無いでしょう。
3万4万5万クラスのあれらがじゃんじゃん買えるのならば、なんの問題もないのです。
そうじゃないから、靴ではなくてやはり自分のからだを変える方がはなしは早いなと思います。
●目的を決めること
ロルフィングのお試しをこのあと受けてみたのですが、歩き方も重心位置も変わったことがすぐにわかりました。
なぜなら、それまで何ともなかったインソール入りの靴がつっかかって歩きにくくなり、抜いた方が楽になったのです。
インソールは「いまの状態」をサポートするために作るのですが、これがあると「いま」よりよくなることはないなと常々思っていました。
そもそも「よくなる」ことが目的か、よくなるの定義も自分で決めていなかった。
インソールをどういう目的で入れるのかでも変わってきますが、現状維持の段階より、次の段階へ進むことを決め、ロルフィングを受けることにしたのです。
ロルフィングについては自分のためにもブログ等で詳細は書かずにいますが、時々ネタにします。
次の上高地旅行でさっそく出てきます。


