「村上海賊の娘」の著者による、歴史エッセイ集です。
タイトルは余談の多いシバショーリスペクト。
和田作品は「のぼうの城」しか読んでいませんが、読みやすくておもしろかったです。
映画も良かったけれど、主役のイメージがちょっと違った。
この本の前半はこれまでの著作の制作裏側について。
後半は、有名所戦国武将について。
メイキングってすごい好きなのですが、ここに書かれていた小説のメイキングって全然面白くなくて自分でびっくりしました。
映像作品のメイキングと違い、地味なのもありますが、なんか情景が浮かばなくて読むのがすごいしんどかった。
和田作品てもともと最初に脚本を作っているし、読みやすいのがウリなのですが、それがどうも軽くて物足りない。
小説とエッセイって別物だな。
後半の戦国武将の話もまるっきり頭に入ってこなくて、ほんと困りました。
唯一おもしろかったのは、大谷吉継のエピソードについて。
よく出てくる、茶会の席で回し飲みする椀に病魔による膿がぽとりと入ってしまい、彼の椀を誰も受け取らなかった。
それを三成が順番を問わずに自ら受け取り、飲み干したという、三成との友情エピソードなのですが、著者はこのエピソードのソースを探します。
一体どの文献に書かれたことなのか。
実は、無いんですね。
司馬遼太郎の「関ヶ原」という作品でこのエピソードが出てくるわけで、おそらくシバリョーの創作であろうと。
優れた創作は歴史となって、引用され続けてゆく。
和田竜は、こう締めています。
創作には結構な責任が伴う。
そして、原典に当たらねば絶対に文字にしてはならないと痛感し、ソース元をきちんと明記しようと。
この姿勢はすごくいいですね。
2ちゃんねる掲示板は、誰かの投稿に対してソースを調べる人もいて、意外といい加減な便所の落書きばかりでもないのです。
書かれていることをどこまで自分の中で選択するのかはもちろん必要なことですが、いまのスマホの小さな画面で情報を精査することなく原典のことなど考えもせず、反射的にリツイート、シェアしてしまう、ある種の「尻軽さ」は「脳みその軽さ」でもあるなと思います。
ちょっと口が悪いね、「思考させない仕組み」としたらマイルドか。
すごく狭い視野で瞬発的に反射的にアクションを起こすから、周りも同じようでないと気に入らない(周りもそうしているのが当たり前と思っている)という心の狭さにも繋がるように感じます。
話を戻しまして、歴史に関するデータって、意外と年々新しいものが出てきます。
創作もいいけれど、新しいデータで構築された書籍も好き。
そういう点ではこちらの新書「関ヶ原 島津退き口/桐野作人 (著) 」はすごく読み応えがあって、一気に読みました。
これから関ヶ原ものを書く方はぜひ採用してほしいし、映像化された新しい島津退き口が見たいです。
タイトルは余談の多いシバショーリスペクト。
和田作品は「のぼうの城」しか読んでいませんが、読みやすくておもしろかったです。
映画も良かったけれど、主役のイメージがちょっと違った。
この本の前半はこれまでの著作の制作裏側について。
後半は、有名所戦国武将について。
メイキングってすごい好きなのですが、ここに書かれていた小説のメイキングって全然面白くなくて自分でびっくりしました。
映像作品のメイキングと違い、地味なのもありますが、なんか情景が浮かばなくて読むのがすごいしんどかった。
和田作品てもともと最初に脚本を作っているし、読みやすいのがウリなのですが、それがどうも軽くて物足りない。
小説とエッセイって別物だな。
後半の戦国武将の話もまるっきり頭に入ってこなくて、ほんと困りました。
唯一おもしろかったのは、大谷吉継のエピソードについて。
よく出てくる、茶会の席で回し飲みする椀に病魔による膿がぽとりと入ってしまい、彼の椀を誰も受け取らなかった。
それを三成が順番を問わずに自ら受け取り、飲み干したという、三成との友情エピソードなのですが、著者はこのエピソードのソースを探します。
一体どの文献に書かれたことなのか。
実は、無いんですね。
司馬遼太郎の「関ヶ原」という作品でこのエピソードが出てくるわけで、おそらくシバリョーの創作であろうと。
優れた創作は歴史となって、引用され続けてゆく。
和田竜は、こう締めています。
創作には結構な責任が伴う。
そして、原典に当たらねば絶対に文字にしてはならないと痛感し、ソース元をきちんと明記しようと。
この姿勢はすごくいいですね。
2ちゃんねる掲示板は、誰かの投稿に対してソースを調べる人もいて、意外といい加減な便所の落書きばかりでもないのです。
書かれていることをどこまで自分の中で選択するのかはもちろん必要なことですが、いまのスマホの小さな画面で情報を精査することなく原典のことなど考えもせず、反射的にリツイート、シェアしてしまう、ある種の「尻軽さ」は「脳みその軽さ」でもあるなと思います。
ちょっと口が悪いね、「思考させない仕組み」としたらマイルドか。
すごく狭い視野で瞬発的に反射的にアクションを起こすから、周りも同じようでないと気に入らない(周りもそうしているのが当たり前と思っている)という心の狭さにも繋がるように感じます。
話を戻しまして、歴史に関するデータって、意外と年々新しいものが出てきます。
創作もいいけれど、新しいデータで構築された書籍も好き。
そういう点ではこちらの新書「関ヶ原 島津退き口/桐野作人 (著) 」はすごく読み応えがあって、一気に読みました。
これから関ヶ原ものを書く方はぜひ採用してほしいし、映像化された新しい島津退き口が見たいです。