27日付朝日新聞朝刊の関西版20面、生活欄「どうしました」という健康相談コーナーに、珍しく「開張足(かいちょうそく)」という単語が出現しました。

「長く歩くと足指の裏がしびれる」
(どうしました)
http://www.asahi.com/articles/DA3S11157473.html
朝日オンラインにも記事全文が掲載されています。
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「42歳の女性。30分以上歩くと、両足の薬指の裏にしびれるような痛みが走ります。
靴を脱いでも数時間しびれが治まらず、うずくまってしまうほどです。
「開張足(かいちょうそく)」と診断され、痛み止めに湿布をしています。
効果的な治療法はないのでしょうか。」

辛そう…
数時間痺れが治まらないなんて、どんな靴を履かれているのか気になりました。

回答は、慶応大学病院整形外科診療科副部長 須田康文(すだやすのり)先生。
http://www.keio-ortho.jp/orthopaedic/group03.html
※途中にグロい画像があるので閲覧注意

ドクターズガイドの記載には「外反母趾手術の名手」とあります。
日帰り外反母趾手術、すごい。
http://dr-guide.net/www/%E9%A0%88%E7%94%B0%E5%BA%B7%E6%96%87/
このサイト内では、靴や五本指ソックスについても触れられています。

先生の回答は、まず開張足の説明があり、ついで治療法に
「とにかく長時間歩かないことです。(後略)」
おおおおお
42歳の、おそらく就業されている女性にそんな酷な…

仕事などで歩かざるを得ない方もいますというQに対し、
指を反らさないようにするロッカーバーという装具を靴の底につけることをアドバイス。
医師の診断の後、義肢装具士と要相談。

ロッカーバーってこういうの。インソールではなくアウトソール。
ロッカーバー
http://item.rakuten.co.jp/daise/10000741/  画像はこちらから
靴用語辞典 バー 【bar】
http://www.parashoe.com/words/ha.html

我慢できない痛みが続くときは?
局部麻酔とステロイドを混ぜた注射で炎症を抑えます。
一時的な対処療法なので、歩き方を直して半年から一年経っても痛みが改善しない場合、
その部位の神経を抜くという選択肢があります。

(後略)

って、めちゃこわいー!!
神経抜いちゃうってー!!
開張足(この方の場合は「モートン神経腫」と推測されています)でそんな手術があるの、わたしは初めて知りました。

モートン病、わかりやすい解説サイト。男性にも発症あります。
http://kotoseikeigeka.life.coocan.jp/10moton.html

でも先生、もうちょっと靴選びについて踏み込んだアドバイスがあっても良かったのでは…
日本靴医学会理事をされている先生には足長と幅なんて当たり前のことでしょうけど、わたしはこの回答を読んでいて自分が手術宣告を受けたようなブルーな気持ちになってしまいました。
たぶん、質問者の女性も同様じゃないでしょうか。

「ドクターズガイド」には靴選びについての記述があるので、ちゃんとサイズ合わせした靴にまず履き替えて、歩き方の指導をしてという「手術以前」のほうに回答ボリュームがあっても良かったと思います。
痛みがとれないケースの対処まで載せるため、紙面の関係上こうなったんでしょう。

西洋医学はどうしても「痛みをとる」という対処療法が得意技とはいえ、手術後のデメリットまで良心的なことにまるっと書かれてあり、なんだか救いがあるようでない回答だなと暗澹としました。
願わくば、この質問者さんが回答内にある「モートン病」で検索して、いろんな対処法があることを知るきっかけになるといいのですが。