2月のことですが、お姉さんな友達がタルタルガでパンプスをオーダーしたので、受注時と受け取り時にちゃっかり同行しました。

お姉さんは、前職場のランチ時にわたしが靴のはなしをしていたとき、唯一熱心に聞いてくれた人です。
というのも、お姉さんがロングブーツで歩く姿を見ていて気になることがあったんです。

あるとき履いてこなくなったので、どうしたのか尋ねたら
「足が痛くなって」

それ、右足じゃないですか?
「そうなのー! なんでわかったの?」

後ろ姿で右足がこう(くの字)になってたからです。
「えー! そんときに教えてよー!!」

いやいや、なかなか言えないんですよそれが。
知り合いであっても「あなたの履かれている靴、なんかおかしい」ってそうそう言えないし、しかも当時のわたしはじゃあどんな靴を履けばいいのか、それがどの売場に売っているのかまではわからなかったんです。

この一件があってから、退職後も度々靴の相談を受けていました。
今回タルタルガでパンプス見たいというのにくっついて行ったのですが、オーナーの松本さん、さすが40年のマエストロです。
お姉さんはずっとヒール履いてきたので、わたしとは下半身が全然違う。
そして、性格も全然違います。

松本さんはやりとりからその人をバシッと見抜いて、マッチするデザインのサンプルをすっと差し出すのです。
もちろん、アレ履いてみたい、こういうの履いてみたいというリクエストもバンバンこたえてくれます。

今回の一足は、これ。
パンプスアーカイブ
2012-2013AWのアーカイブより (リンク切れ)
http://www.tartaruga.co.jp/archives/detail/1213aw.html#1

一見「!?」ってなるラインです。
どうやって作ってるのかと不思議なんですが甲をちゃんと覆いながらもオープンさもある、こんなカットできるんだとびっくりしました。
わたしの性格だと、松本さんはこれを出してこないねー

表革の黒とベージュのスウェードで仕上がりました。
パンプス02
前から見ると、ほとんど黒のパンプス。 
パンプス03
しかし、横から見るとベージュのスウェードが。
※照明で白っぽいです 
パンプス01
後ろ姿の白黒コンビが、かっこいい!!
赤いソールもめちゃめちゃキマってる。
そしてお姉さん、足細いな。

もうテンションマックスでした。
「オーダーしたとき、仕上がりの実物がイメージできなくて不安だったけど、思った以上の出来!」
帰り道の道中もウッキウキで、背中から羽根生えてパタパタ飛んでるみたいだったし、服だと果たしてここまでテンション上がるだろうか。
ほんとに靴って女性にとって大事なアイテムだなと思います。

後日、会社内で履いて(履き慣らしのため、コンクリやアスファルトではなくカーペットなどで履くようアドバイス)、めちゃめちゃ褒められたという喜びの長文メールが届きましたよ。
いいな~ よかったねー(^-^)

いい靴は、いいところに運んでくれます。
タルタルガの靴は、カタログやサンプルを見ていると不思議な形状なのですが、履くとデザインの力がすごいことを思い知ります。
これは既成靴では一度も感じたことがありません。
松本さんの、木型への美学です。