NHKプレミアムで、ハイヒールがテーマの回だよと友達がメールで教えてくれたので、本日放送回を見ました。

・NHK 鑑賞マニュアル 美の壺 
http://www.nhk.or.jp/tsubo/
「美」がテーマなだけあって、とにかくハイヒールの美しさを語る語る。

番組自体初見で、案内役が草刈正雄なのも知らずにいたから、 最初に彼が出てきてハイヒールにうっとりしている絵面を見たとき
『足フェチというキャラ設定か?』
と思ったほど、ちょっとキモかった。
全編通してこんな調子だった。

収穫だったのは、靴ジャーナリスト大谷知子さんを初めて見たこと!!
うおお~~~こんなお歳の方だったのか!!
「足と靴」についてちょっとでもかじったら、必ずこの著作に行き着きます。



1996年発行の書籍ですが、未だに関係者の間で話題にのぼる著作で、なぜなら現在に至るまでこの当時の子供靴の問題がまったく解決されていないことが明らかだからです。18年前って…
ただ、当時に比べてお母さん達への足育、靴育的なジャンルができたことが、一筋の光明。
いってみれば靴業界の動きの遅さに、周りが痺れきらしたってことです。

番組ではとにかくハイヒールの美しさと、履いたときのメリットを全面押しでした。
履いているときと履いていないときの後ろ姿を比較して、

・踵が上がるから、足が緊張して細く見える
・おしりがキュッと上がる

あとアルゼンチンタンゴのダンサーによるコメントで、前傾姿勢になるのでホールドされやすいという点も、メリットにされていました。

そらつま先立ちでちまちま歩けば、誰でもそうでしょう。
でもその時骨盤がどうなっているか、腰椎と背骨がどうなっているか、レントゲンでうつしてくれたらよかったのに。

骨盤角度
こうなってる

これを見せずして、ハイヒールを履いていない状態をディスるのはやめてほしい。
※ディスる=「ディスリスペクト」(disrespect)

番組内で、
・ハイヒール自体は美しいけれど、美しく歩くためにはそれなりの筋肉と訓練がいること
・短時間の着用であること
・外ではなくクッション敷きの室内で着用すること

ぐらいは伝えてほしかった。

あれは場所を弁えて履く、特殊な履き物ですよって。
でなければ、靴が売れてない靴業界からのステマかと思う。
みていると「ハイヒールはくだけで美しくなれるんだ!」って勘違いしちゃうでしょう。

なかなか満足のいく靴番組がありません。
NHKでは「朝イチ」でも特集されているし、靴の悩みって多いのに、結局内容が
「こういうのダメですよ」
と言いきれないところが、弱いと思う。
「こういうの選べばいいですよ」でお茶濁している印象。