12/4付けの朝日新聞朝刊に、思春期のヒール靴というタイトルで「教育」欄に靴選びの記事が載りました。

学生になったばかりの13歳の娘に、ヒール靴を買ってもいいか訊かれた、お母さんの戸惑い。
結局、自分で貯めたお小遣いで5千円以下の8㎝ヒールのブーツを買い、以降、3~10㎝ヒールの靴が靴箱に並ぶ。
こどもの足への影響はあるのだろうか。

アシックスの広報担当者は
「こどもの足は軟らかく、履き続けると変形する危険性が高い」
足の成長は15歳くらいまでに完成するそうです。
それでも、どうしてもヒール靴を履きたいと言われたときは? 

こどもむけの靴選びを保護者に講演している靴職人の回答。
「ここ一番の時だけ履くよう助言してる。こども時代は、しっかりとした体の土台を作ることが何より大事。こどもには美しく地面をとらえて歩ける女性こそ、おしゃれでかっこいいと伝えてほしい」

記事後半によく読んでいるおしゃれ指南本の著作者、大草直子さんのエピソードがありました。
娘が9歳の時にヒールブーツが欲しいとせがまれたとき、3つの言葉でメッセージを送った。

1、危険が迫ったときに、ヒール靴では走って逃げられない
2、こども時代は人生において、宝石みたいに貴重で短いとき。
  早く大人になるなんてもったいない
3、こどもは「子どもらしく」が一番可愛い


これに深く納得した長女は、以降ヒール靴の話をしないそうです。
親でもありファッションに携わるプロとしても、説得力のあるメッセージです。
なお、5千円以下で買えるヒール靴なんて、足を守る機能が全くないゴミ靴ですよ。
そこんとこの説明をした上でもまだ履きたいなら、痛い目みるのも手かと思います。

わたしも子持ちの友達にぼちぼち靴選びの話をしていますが、大人になってから開張足をどうこうするのは、無理なんです。
タルタルガのオーナーも、幅細靴を5年履いてようやく歩き方が変わったと言ってました。
だとしたら、そうなる前に子供のうちから足を守る靴選びをするのが一番の早道なのです。

こどもの靴選びについては昨年も書いていますが、新しく見つけたサイトがよかったので、ペと
・子供靴マニアな日々
http://ameblo.jp/bic-shoes/
子供靴のシューフィッター資格を持たれています。

百貨店などにたくさんいるシューフィッターはランクがあり、一番多いプライマリー(初級)はどうも開張足の靴選びがへたくそです。
「シューフィッターに選んでもらったのに、痛くなる」
っていうのをよく聞くのは、もしかして初級では開張足のレッスンないの?

・かかとトントントン♪(久野真平の歩き方)
http://ameblo.jp/wholeup/entry-11082461862.html
靴の正しい履き方は、足先を上げかかとをトントンした状態です。
動画はこどもむけなので、見ててえらくこそばゆくなりますが、非常に良くできています。
久野さんは元バレエダンサーで、現在「久野式外反母趾予防法」をシューフィッター補習講座で発表され足と靴の問題に取り組まれています。

久野式外反母趾予防法が気になるのです。
内容はこんなカンジで、
http://ameblo.jp/kent8192/entry-11091901694.html
「4. 軽く踏みしめたテニスボールをつま先方向に足裏で移動し、
  母趾球から小趾球にかけての中足趾節関節を十分に使いテニスボールを握る。」

テニスボールを足裏で握る運動です。
わたしの勉強机の下にはスーパーボールが転がしてあり、ペン字中にコロコロすべらしてマッサージをしています。
小さいボールだから、やらないよりマシかな、程度ですが。

足指を足裏に向かってぎゅっと丸めるのならともかく、母趾球から小趾球で横方向にぎゅっとボールを握る動作が、ぜんぜんできない。
全くイメージもできないので、動画配信されないかな。

最後に新聞記事に掲載されていた写真を載せます。
件の13歳の娘さんがヒール靴を履いている光景です。
新聞01
2点、×ですね。
こんな靴選び(履き方)をしている段階では、ヒール靴以前の問題です。

新聞02
×1 左足、踵を潰している
だだだだめー! 
カウンターが入っている部分だけ、辛うじて潰れていないですが、論外。

×2 右足、踵に指入れして履いてる
指が入るなんて、靴のサイズが大きすぎ。
靴べらを使ってやっと履けるサイズ感が、ちょうど良いサイズです。

もういっこいうなら、椅子に座って履くこと。
立って(屈んで)履くと踵が靴に合わないし、爪先でトントンしちゃう悪いクセがつくよ。
女の子のヒール靴に限らず、男子のだらしない紐靴だって同じ。
紐をきちんと結ぶだけで、しゃんと歩ける。
紐を結ばずに着脱している靴は、結局足にも体にも負担を与えていて、姿勢が悪くなるのです。