に散々悩まされて数十年、ようやく知った靴業界の真実と日本人の足についての知識をざっとまとめました。
わたしは“日本人が身につけるものは、日本人が作ったものが一番いい”と思っていました。
でも違う、少なくとも靴については全然違う。

女性部長がイタリア旅行に行ったときの体験談。
この話を聞いたとき一緒にいた同僚も、オープントーのパンプスで指がどんどん前に出まくる人。

「町のちっちゃくて、おじいちゃんが一人でやってるような靴屋に入ったらね、
サイズも訊かんと足を見るだけで、すっと一足もってくるねん」
「「ふんふん」」
「それがな、ぴったりやねん!」
「「うそー!!」」
「わたしイタリアにおったとき、6足も靴買うたわ!」
「「うらやましーーーー!!」」

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ご存じハイヒールの形。

ランジェリーのフィッティングもそうですが、ほんとのプロはメジャーで測ったりサイズ聞いたりしなくても、その人にぴったりなものがわかるんですね。
イタリア以外にも海外だとこういう靴販売員のお話をよく聞きます。

そもそも日本の靴は大きすぎ。
そしてやたら豊富なインソールと靴擦れ対策キット。
中国人の同僚と靴の話をしていて、

「中国って日本みたいに靴にインソール入れるの?」
「いれないよ。せいぜい寒い時に防寒で入れるぐらい。日本の靴おかしいよ」

やっぱり。
彼女も靴に悩みを持っていて歩人館(現:アシックスウォーキング)をチェックしたけど、あそこの靴はなんかおかしいと感じたらしい。

「中国の昔の靴は薄い布を何枚も重ねたものだから、足が横に広がることはない」

大体日本の靴の歴史が浅いです。
一般人に靴が浸透したのは戦後だし、戦前で革靴に接していたのは政府要人と軍関係だと思う。
スタート地点が全然違うから、中国・韓国の靴とも全然違う。
歴史について調べだすとキリがないのでこの辺にしますが、歯磨き方法1つにしても以前の常識が覆されている昨今、常に新しい情報を知る必要があると思いました。

靴の制作工程を考えると、安価で大量生産するには工程を省きサイズ展開も少ない方が、当然メーカー側は楽です。
なんせ一番の悩み、在庫を抱える数が減ります。
安価な理由は質であったりサイズであったり、どこかを犠牲にしているんです。

大量生産ベースで価格競争しているいまの資本主義だと、どうしてもそうなるのはわかります。
でも、自分の選択肢をその範囲内ですべて納める必要はない。
わたしはそういう考えです。
でも、ほんとにショックだった…
ほんとに日本のメーカーを信頼していたんだから…
売り場の人のこと、信頼してたんだから…

次回はいよいよ日本人の手による“わたしの一足”がやってきます。

*-*-*続く