書館で作者名検索したらヒットした、読みたかった一冊です。

膨大なデータから情報を分析し、問題を述べていく。
でも、著者は解決策を提示しません。
それこそが真実だなと思います。
読んでいて一番ぐっときた箇所は、

P118
この世の中は「やりたいこと」を仕事にした人だけで構成されているわけではなく、
むしろ仕事を「やらなくてはいけないこと」としてやっている人たちで
構成されているという認識が抜けているのだ。
「誰もやりたがらないことを進んでやること」
に対する価値への配慮がまったくないのは問題だろう。

スピ系、自己啓発系のレッスンの締めは、「感謝」です。

自分が生きていられること、世界のサポート、あらゆるものへの感謝や愛というのは必ずどこでも耳にしますが、そこには、会場に無事辿り着くための 交通機関を運営している人々、道を整備・清掃する人々といった、ごくごく普通の日常を送るための営みを支えている人たちへの感謝が欠落してないかと。

そういったものを含めて自分が存在できることに感謝すると言い返されそうですが、わたしはそこのところをスキップして、より大いなる存在への感謝を口にしているように感じるのです。
感謝のお題目がなんとなく儀式めいて感じてしまうのは、この辺の現実感のなさから来ていたように思う。

2008年発行の本ですが、内容は古くありません。
スピや自己啓発に関わっている人には手にとって頂きたい。