ランフロントへのアクセスは、大阪駅北側からと阪急梅田駅側からとあります。

たいてい大阪駅側の二階デッキと、地下の伊勢丹直結フロアから行っています。
それで気が付くのは、照明。

大阪駅はターミナル駅なので、サインは大きくそしてLEDバックライトでめちゃくちゃ明るい。
眩い白い光りが一日中充満しています。
その光りの渦からグランフロントに移動すると、薄暗く感じます。
前項のサイン写真は明るめに加工しました)

原因は、黒い壁。
グランフロントの壁面は、黒地に白の細丸ゴシックフォントのサイン計画です。
黒の面積が多く、フォントはより弱くなり、そして照明の光は壁に吸収される。
それでなくても吹き抜けや高めの天井で、全体的に薄暗い、よく言えば落ち着いたラグジュアリー空間の演出なのですが(細ゴシを使っているのもそうでしょう)、ぱっと明るい溌剌さはない。
なんとなく、お買い物のテンションよりも、“よそ行きで畏まる”感じがじわじわ沸き上がってくる。

リッツカールトンとまではいきませんが、落ち着いた照明に迎えられて、ファストファッションのお洋服を買う気が起きますか??
いくらショップの照明が明るくったって、いまいちテンションが上がらないと思います。

サイン計画による心許なさ、そして照明で抑えられるテンション。
なんか落ち着かない。
そして入っているショップは、イオンにも入ってるお店があったりするし、ちぐはぐなのです。
だからグランフロントにはプアー系、リッチ系のショップが入っていても客単価が上がらず、物見遊山で回遊して
「いいものあったけど、別に買うほどでもないかー」
という印象が残るんじゃないかな。

安かったら買うってわけでもないんですよ。
わざわざ足を運ぶのは、“買い物を体験”するためで、この体験部分が満たされないと買い物満足度が上がらない。
体験の満足度は、価格だけではないのです。

でもいいとこもあるんだよというのに続きます