河ドラマ「いだてん」6/16放映第23回「大地」、関東大震災の描写で戦慄しました。

金栗四三の熊本訛りを自警団が「日本人じゃないな?」と取り囲んで暴行されそうになるシーン、あれは「福田村事件」がもとだと思います。

震災後の流言飛語で朝鮮人虐殺が各地で起こっていますが、日本の内地人も少なからず殺されています。
福田村事件はそのきっかけが訛り言葉で「言葉が変だ」→朝鮮人じゃないかと自警団が集まりだし、だんだん殺気立っていく。
ドラマで描かれていたのはこの部分でした。


福田村事件については2013年に書籍が出されていて、著者インタビューがこちらに。
「福田村事件」著者・辻野弥生さんインタビュー | 隈本ゼミ調査報告
事件が起きたのは1923年(大正12年)9月6日、どれほどの間秘匿されていたのか。
取材に苦労された様子がインタビューにあります。

この報告も貴重な内容。
 
殺されたのは香川県の薬売り行商人たち。
妊婦や幼児も含めて9名が殺害され、特定非営利活動法人香川人権研究所のホームページにも載っています。

正義の名の下に“自分と違う”人を集団で叩きのめす行為は、いまでもなくなっていないし、非常事態ではなく日常的に増えています。
だからこそ、宮藤官九郎はこのシーンを脚本に入れたのかなと思いました。
現在とのリンクが絶妙で、「いだてん」毎週楽しみです。

再放送:土曜日[総合] 午後1時5分,日曜日[BS4K] 午前8時


2023年11月追記:映画化にあたり地元の方の声

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