2015年発行の「服を買うなら、捨てなさい」は今でも書店で平積みになっているほどヒット中のようですが、同著者の前作にあたる本がこちらです。
ひねくれた選択のようですが、なんのことはない「服を買うなら~」は書店で立ち読みして別に読むほどじゃないなと思ったのと、図書館で予約満載なのに対し前作のこちらは予約ゼロだったから手に取りました。


著者は1959年生まれ。
わたしはちょっと上の世代の人がどういうことを考えているのか興味があるんです。自分が生きていく上で同じ年代になったときの指針になるかなと。
そしたら、さすがバブル世代、根本的に価値観や行動が違いました。
「えっそんなことしていたの!?」と驚くことが多々あったのですがそれはおいおい書くとして、この本では全面的に靴選びをプッシュしています。
これまでのファッション指南本でも多少靴に触れているものはありますが、こちらは真っ先に、「似合う服は靴から選べ」と服の仕分け基準を靴にしているのがおもしろいです。
なお以下のページ数はハードカバー版です。2016年に文庫版が出ているので混同ないように。

●1章 心構え編。P13 


昭和の価値観を捨てようというところからスタートです。
ファッション誌に囲まれ若い頃から大量に服を買い、あれこれ試してきたおしゃれ上級者のこの年代がやっていたことは、一ヶ月コーディネート。
一定のアイテムで毎日違う服を着回すというあれ。
あんなの実行していた人、ほんとにいるんですか??
ネタとして読むもんちゃうの??

■助けて。ファッション用語がわかりません。
http://ameblo.jp/syunkon/entry-11392359243.html

いつものゆりちゃんブログより、コメント欄までおもしろい。
「同じ服だと恥ずかしい」というのは、OLやっていたときも上の年代のお姉さんが言っていた言葉です。
下の子はお金もそんなにないし、それどころじゃないって感じでしたね。

●2章 クローゼット見直し編。P43 


なにが驚いたってここです、大量の服を持っているという下り。
著者の読みでは50代女性は少なく見積もって100kgの服を持っている。
30kgのスーツケースぱんぱんに入れて4個でも収まらないかもと。
ほんまに!?
しかしのちに出てくる「新品のタグがついたままの服」といったエピソードを読んで納得しました。
買い物の仕方が全然違いますわ。

そしてスタメンに残す服の仕分け基準が靴というのが、ここに出てきます。
心構え編で著者は靱帯損傷したことでヒールが履けなくなり、ローヒール生活となりました。
もうおしゃれできないと(ヒールじゃないとおしゃれじゃないという強固な昭和感)落ち込んだものの、ローヒールの中でもオシャレなものがあるじゃないとじっくり時間をかけて靴選びをされるようになりました。

ヒール生活では疲れたらタクシーに乗っていたけれど、ローヒールになって歩くようになり、食事制限なしでかなり痩せた。
ここにも驚き。
ヒール、つまりおしゃれのためにタクシーに乗るとは。よほどの御大尽じゃないですか。
知り合いのお金持ちのマダムは、ちゃんと履き替え用の靴を持ってショッピングに行っていましたけど…

まあいいや、見直し編に戻ります。
靴の次におもしろかったのが、バストの話。
「上品な胸」と「ゴージャスな胸」、太っていようと痩せていようととにかく胸の大きさで似合う服が決まる。
そんなにたくさんファッション指南本を読んでいませんが、胸のサイズだと言い切っているのは初めて見ました。せいぜい、ブラジャーのフィッティングをきちんとしましょうぐらいなのに、似合う服が違うと。
これはさすが50代目線だと思います。体が変わってくるからこその気づき。

上品な胸は要するに上半身が薄く、バスト小さめ。
ゴージャスはその反対です。
似合うアイテムを具体的に提案していますが、写真はありません。
Amazonのレビューに写真がないことを不満にされている声がありますが、わたしは写真いらないと思っています。
だって同じものを身につけても同じにならないですから、変な思い込みを植え付けない方がいい。街に出て探すのだ。

●3章 ショッピングの鉄則編 P85 


試着に行く際、メイクをちゃんとすること(昭和メイク不可というのも1章にある)、ヘビーローテーションの靴でいくこととあります。
一番気に入って一番歩きやすい靴、それに似合う服がいまの自分に一番似合う服。

これ、経験あります。
素敵なレザージャケットがあって試着させてもらったのですが、そのとき履いていたスニーカーと全く合わなかったんです。
もともと試着目的で外出したのではないため、選んだのは長時間歩くためのスニーカーでした。
このジャケットのために履ける手持ちの靴は1足あるかないか。となると着用用途がぐっと限られてしまい、価格の割りに出番がないということになります。いくら上質でサイズが合っていたとしても、着られる回数が少ないのならカジュアルで買えないです。 靴の影響の大きなこと。

3章には80年代後半バブル時代のパリと東京のブティックの様子が出てきます。
東京のブティックでは、サイズが合わなくても適当にごまかして売られていた。のを買っていた。
ちょっとー! スタイリストなのにそんな買い方でいいんですか。

さらに、サイズといえばSMLのレベル、サイズ幅があまりないDCブランド時代を経ていて、50代はサイズの感覚がルーズで大雑把って、ちょっとー! スタイリストなのに(以下同文)。
しかしこれ、スタイリストだからかも。
撮影用なら見えないところを洗濯ばさみできゅっと止めればいいんだし。

それと、買い物に出かけて手ぶらで帰ることは「負け」ではないとあります。わざわざこんなことを書かないとならないってことは、手ぶらリターンは「負け」というのが根底にあったってことか。
どんだけ買い物してきた年代なのかと思いました。

あまりの違いっぷりにツッコミ入れずにおれないですが、それでも読んでいて参考になることはありました。
どんなことでも100%すべて納得する必要ないんですよ。どこか一カ所でも「へー!」という部分があればいい。だって書籍って安いし、図書館でも読めます。
わたしは自分よりちょっと年上の人たちがなにを考えて生きてきたのか、そしていまなにを思うのかが知りたいので、十分楽しめました。
とても読みやすく、移動中の細切れでも一週間で3回読めましたよ。


図書館にあるのはハードカバー版だと思います。
あえて文庫版をリンク。
次回は、「おしゃれの幸福論」@光野桃(みつの・もも)の感想です。