8月の思い出は田舎へ帰省、お墓参りでした。
田舎って、わたしの中では“両親の親が住んでいたところ”という認識。
ところが友達に「わたし田舎ないねん」っていう子が何人もいました。
これは同じ大阪府内や近隣県、他の都市圏に祖父母が住んでいるという意味です。
てことは、田舎って単に祖父母が住んでいる場所という意味じゃないんだよね。
都会と違い自然がたくさんあって、田畑もある、人口が少ない場所というニュアンスも含まれていると思います。

生まれてから毎年盆暮れは田舎に帰省していました。
中学ぐらいからは夏だけ。
暮れは、寒くてな…
以前は夏でもクーラーなしで眠れて、逆に寒くて風邪をひいていたのに、いまはときどきクーラー欲しいなというぐらい暑いです。
田舎でも30年以上経てばアスファルトも増え、そして高温化の影響があるんだな。

考えてみると、こうやって毎年同じ場所に決まった時期に訪れるってあまりないと思います。
レジャーと帰省は明らかに違う。
レジャーはそこに迎えてくれる人がいない。
ディズニーランドのようなテーマパークはどこかしらリニューアルされて、違う意味で変化しながらそこにあり続ける。そのさまは自然の変化ではない。
田舎に替わる場所って人工的には造れないんだな。
盆提灯
素材より盆提灯。夜に回転すると、遊園地気分だった。

お墓参りは、こどものわたしにとって「都会にはない」一種のレジャーに近かったです。
母方の墓地はお寺の敷地内にあり、よそのおうちの墓石をみて、読めない漢字(草書や卒塔婆)の解読に挑んだり、いろんな家紋をチェックしたり。
お供え物の白玉団子がつやっつやで、すごくおいしそうに見えたんですよ。
そう言ったら、あれはアリがたからないように砂糖抜きだから、味のない文字通り白玉団子だと。しょぼん。
ほかにも、トウモロコシ畑をみておいしそうだと言ったら、牛の肥料だから味がないとか(またか・笑)、見たまんまじゃないんだよね、田舎って。

父方の墓地は、デンジャーな場所にあります。
こどもの足に急な坂道+崖っぷち。
大人になったらさほどじゃないけれど、これも同じく都会にはない形状です。
お墓参りに行くよと言われたら、してないふんどしを締める心持ちでした。
こちらは同じ苗字がいっぱい。
おとなの真似をしてお線香を立て、手を合わせていた。 ちょっと背伸び気分。
ほおずき
素材よりほおずき。つまようじで必死で中身を出していました。

あるときまではレジャー感覚だったお墓参り。でも、急にまったく違うものになったんです。
とても好きな人がいた時分、お墓参りで墓石の前に立った瞬間ぶわっとお墓から全方向に向かって木の根のようなものがびっしりと広がっている感覚。
わたしがいまここに立っているのは、お墓に眠る、顔も名前も知らないような人たちがいてこそだと、突然理解したのです。
土地や人、全部が繋がって、やっとここにいるのだと。
生かされているのだと。
「個にして全、全にして個」ってこういうことなんだと、ぼやーんと思いました。

好きな人がいる時って、普段と気持ちの方向が違うんですよね。
通常は自分に向かっている思考の針が、その人に向かっている。
そんな感覚の時にお墓参りに行ったから、気がついたんだと思います。
大病からの生還エピソードでもよく聞きます。
現代では“死”が隠匿されているため、自分が生かされていることを知る機会はぐっと減っている。
わたしはお墓参りだったので、お墓参りっていいもんだよと思うのです。
ぴよっぴよの10代の思い出。

こんな調子でお墓参りに対していいイメージを持っているので、数年前に、わたしが死んだらあのお墓に入るんやねと母に言ったら
「なにゆってんの。お墓には長男(本家)しか入れないもんや」
父は長男じゃないので、別にお墓を作る必要がある。
え、なにその不経済な仕組みは。
そんなことするから墓地が足りなくなるんでしょ。

ほんというとお墓には誰でも入れます。

■お墓に入れる人の範囲(横浜石材工業株式会社)
http://www.yokoseki.com/saisi/hani.html
「一つのお墓に入ることができる人の制約は、法律では決まりはありません。
墓埋法では、「墓地、納骨堂又は火葬場の管理者は、埋葬、埋蔵、収蔵又は火葬の求めを受けたときは、正当な理由がなければ、これを拒んではならない」としています。
したがって、お墓の永代使用権者が認めれば、誰を埋葬してもよいということになります。しかし、一般的な傾向としては、一つのお墓に入る人は、永代使用権者の家族に限られています。」
誰でもお墓に入れますが、慣習というしきたりが地域によってあり、“一般的に長男または配偶者がお墓を承継する”となっています。
上記サイトには“未婚の男性”のことは書いてあるのに、未婚の女性についてはなかったので、もういっちょ。

■誰がどのお墓に入れるのですか?(株式会社石蔵)
http://ishi-kura.jp/haka_hairu/

このケースでいくと、未婚・子なしのわたしは“散骨”がいちばんいい気がしてきた。
「○○と同じ墓に入りたくない」というケースを読むと、一番後世に憂いがないのって、入らないことじゃんと思ったわ。

先日友達と前歯の形が顔の輪郭という話(この日記)をしていた時、

「NAZさんの歯は、焼いても残るやろね」

焼く!?
なんのこと!?
火葬場のことかー!!

火葬場で焼いても残ってそうな歯という、そのイメージ力の逞しさよ(笑)
(意味は、焼いても残りそうなぐらいしっかりした歯という褒め言葉です)
わたしが死んだら、是非歯を確認して。
夏の思い出、メメントモリ。