「靴の部品でもっとも多いのはインソール、
それほど足裏で困っている人が多いといえますが、靴の研究者も足裏ほど難しいものはないと言います。 確かに順調な改善は難しいことが多く、それぞれの方の経験や知恵でこなしているのが現実です。

そこで「なぜインソールを入れる?」ということを伺いながら
そのメカニズムについて語り合いたいと思います。

手持ちのインソール〔使用中でも可〕を持参ください。
当日、趾紋(指紋)の見えるフットプリントを作成いたしますので素足になれる服装でご出席ください。」


前回の日記は,これ
http://nuinui358.dreamlog.jp/archives/33653269.html
UPするのが遅くなりましたが、12/21に受講した第五回目のレポートです。
インソール、これまで幾度も裏切られた憎いアイツ…

まず最初に案内にありますが、趾紋(指紋)の見えるフットプリントを作ってもらいました。
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青い紙、うっすら白く趾紋浮かび上がり中。
よく見るフットプリントとの比較は、別項でします。

このフットプリントは、最初に足裏をウェットティッシュで濡らしてから青い専門用紙に立ちます。
そして、時間を置くと じわ じわ じわ と白い趾紋が浮かんでくるのです。スパイ大作戦のよう…

白いチョークで描いたような趾紋にびっくりします。
この日の受講後に、こんな風になりました。
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実物の方が「チョーク」っぽいんですが。
擦っても消えません。どういう仕組みなの。

趾紋の観察については、大木さんがブログに書かれていますが、肝心のプリント画像がリンク切れになっていて見れません。
わたしの環境だけ??
http://shoefitter.seesaa.net/article/309810177.html

大木さんも書かれているように、踵の趾紋は「丸」というより直線に近い緩やかな波形をしています。
なんとなく、踵らしく衝撃を左右に流してるって感じがする。

そして、右と左でずいぶん違い、顕著なのは
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右足の真ん中、手相でいう「運命線」みたいにズバッと直線のシワが。
これ、左にはありません。
右の直線は、元を辿ると小指のつけ根から始まっています。
左足より右足の方が細い(小さい)のもあり、使い方や加重の違いでこの線があるのかも。

この専門用紙はすでに製造中止となっているので、貴重な体験でした。
ありがとうございます、大木さん!

さて第五回目の今回、参加者がぐっと増えました。
遠く関東から来られた方もいて、自己紹介を聞いていて楽しかったです。
その中のお一人は、ブログでこの勉強会を知ったそうで、『へ~珍しい』と思っていたのですが、あとで声を掛けたらこの方、わたしのブログを読んで来られていたのですよ。

「ブログの名前は忘れたのですが、「全8回」っていうカテゴリのある…」
わたしのブログー!
全8回
 タルタルガで検索して行き着いたそうです。
うわー嬉しい。

今回の内容を、参加者の方が一部ブログに上げられています。
http://ameblo.jp/yasuko-t02/entry-11734293388.html
いろんなインソールの写真。
まめに写真を撮られていて、すごい。
わたしはカメラ持参したのに、一枚しか撮っていません…。

大木さんが実際に一人の女性を例に、徒手矯正を見せてくれました。
わたしも昨年やってもらった
直立した状態で、クレーンゲームのクレーンのように、足の上から土踏まず部分、場合によっては外側にも指を差し入れます。
この指入れの深さによって
「腰の重心がどうなりましたか?」
「肩の位置の変化はありますか?」
と逐一確認されます。

インソールというと、つい「痛いところ」をどうにかしがちなのですが、そもそも「なぜ痛むのか」という部分で矯正しないと解決しない。
全体のバランスをみて矯正しないと、じっと立っているときは痛くなくても歩行によって痛みが出てきてしまうのです。
自分一人でパットを貼り込んでもトラブルが解消しないのは、こういうことです。

これほんとに、ショックです。
まさにHIROFUの靴を自分で調整して、いくつかインソールを買ったのですが、全滅だったのはこういうコトだからです。
HIROFUの調整についても、大木さんのお話し交えて別項に書きます。

もう一つ、とてもおもしろいお話しがありました。
なんとなく靴難民の最終手段として「フルオーダー」という頼みの綱がありますが、わたしはフルオーダーについて調べてみて100%満足できるという結果を得られなかったので、やめたのです。
大木さんも「オーダーをしても問題は二足目」だと仰っていました。
つまり、一足目と二足目で足が変わっているのです。

これはわたし自身が実感しています。
Cウィズの靴を履くようになって、足の形がみるみる変わってきました。
フットプリントの移り変わりをまた別項に列記しますが、もしも最初のびろびろに広がっていた段階でフルオーダーの木型を作成したならば、出来上がった一足目はともかく、二足目はより細くなっているから、もう最初の木型が使えません。

「いまの靴作りは、“足の形(骨格)が変わらない足”前提の靴作りですよね。
そもそも、足の骨格が緩む(広がる)という現象は、これまでの時代でなかったこと。
となると、わたしのように緩んだ足への靴作り(フィッティングも)と、これまでの靴作りは乖離しているということになりませんか」

わたしがこういう意見を述べたところ、大木さんも苦い笑顔でまさにそうなんです、と。
大木さんが靴の販売に関わってきた40年前、当時の整形外科医は足の骨格なんて変わるものじゃないと言っていたそうです。
それがまさか、こんなに変わってしまうなんてという時代なのです。
整形外科医でこれですから、靴業界なんてもっと遅れていることでしょう。

ならば、まさにそこに販路があるじゃないですか。
これまで、恐らく世界的にもない「緩んだ足(残念な表現)」に対する靴作りとフィッティングです。
誰もやっていないからこそ厳しい道ですが(ああ、八重の桜のよう)、間違いなく需要があるジャンルです。
これ以上緩んだ足が増えないように子供の足育も必要ですが、その子供達が大きくなるまでは、私たちの年代が踏ん張らないといけないのですから。

長くなったので、大木さんのインソール話とわたしのHIROFU靴の調整を交えて次の日記に続きます